【漫画】1匹のクモが枯葉に恋、その運命は? Twitterで話題『枯葉と蜘蛛』にホロリ

ーー何層にも線を重ねて描かれた黒雲や表情のある風など、緻密な描写やファンタジーな表現に美しさを覚える作品でした。創作のきっかけを教えてください。

ポポ:いつもは本を閉じたら忘れてしまうような、余韻を感じさせない漫画を描いています。しかし今回は自分の心のネガティブな部分も描いてみたいと思い、この作品を執筆しました。

 本作を描こうと思ったとき、ちょうど職場にクモがたくさん発生しまして……。私は体の大きなクモが苦手なんですが、苦手な存在だからこそ興味が湧いて、少しでもクモを好きになれたらと思い、作品の主人公として描きました。

ーー本作を描くなかでクモに対して抱いた心情を教えてください。

ポポ:最初は職場にクモがたくさんいたのですが、日に日に数が減ってしまったんです。少なくなっていくクモたちから自然のはかなさを感じたり、「クモも生きているんだな」と思うようになりました。体の大きいクモは未だに苦手なんですけどね(笑)。

ーー枯葉が「枯れちゃったね…」「役に立たないなぁ」といった言葉を受けるシーンが印象的でした。

ポポ:枯葉は自分の心のネガティブな部分を表現したキャラクターでした。環境の変化から落ち込むことがあり、自分の心情をキャラクターにして描くことで、ネガティブな気持ちを排出できると思ったのです。

 心の純粋なクモが落ち込んでいる枯葉の支えになったらうれしいと思い、クモと枯葉が出会うお話をつくりました。

ーー最後の場面で現れたクモについて教えてください。

ポポ:嵐が去ったあとの結末は、読者の想像にお任せできればと思っています。その思いから、終盤では台詞のないコマを多く描きました。ただ最後のコマで現れたのは枯葉に恋をしたクモだと想定しています。

 クモに優しくしてもらう枯葉は物語のなかでずっと受け身なんです。しかし嵐が去るまで枯葉がクモの糸を掴んでいたという結末をイメージして本作を描きました。

ーー本作を自身で製本して販売していると伺いました。SNSでも作品を読むことができるなか、本として発売する理由を教えてください。

ポポ:過去に同人誌の即売会に参加したことがあるのですが、自分のつくった本を手に取ってもらえたことがすごくうれしかったんです。Twitterで作品を公開することも楽しいですが、本を渡す、受け取ってもらうことは格別だと感じました。今は即売会も中止となってしまっているため、通販で自身の作品を販売しています。

ーー会社員として勤務しているポポさんが漫画を描き続けている理由を教えてください。

ポポ:純粋に漫画を描くことが楽しいからですね。またTwitterでつながってくれる方々が優しい人ばかりで……。見てくれる人がいるとうれしくて、いいねやコメントをいただくともっとうれしくて、漫画を描く楽しさを感じています。

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