『ONE PIECE』ゾロ、出生の秘密がいよいよ明らかに? ワンピ研究家が考察
「初期設定の段階で霜月牛マルというキャラクターがいたかはわかりませんが、尾田先生がかなり綿密に構想を練っていたのは間違いないでしょう。というのも、ゾロは2年間の修行期間を経て新世界に入ってからは隻眼となっていますが、この設定は連載前から決まっていたことが明かされています。尾田先生はかつて、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の和月伸宏先生のアシスタントをしていて、連載が始まったころにゾロが後々隻眼の剣士になることを和月先生に相談したそうです。和月先生も『るろうに剣心』で隻眼の剣士を描こうと考えていたそうなのですが、尾田先生の話を聞いてやめたと言います。この話は、今年の春に開催された『25周年記念 るろうに剣心展』の対談企画で明かされたもので、尾田先生の構想の壮大さが垣間見えます。
しかし、ゾロの過去エピソードが描かれた時期は連載が始まったばかりで、テンポよく描かなければいけなかったため、現在のように丹念に描くことができなかったのではないでしょうか。ワノ国編では、初期には描ききれなかったエピソードも盛り込むことで、物語にさらなる厚みを持たせている印象です」
いまや『ONE PIECE』の大きな魅力となっている、壮大な伏線回収。ゾロのキャラクターメイキングに『るろうに剣心』が関わっていたという事実もまた、漫画ファンにとって熱いエピソードと言えそうだ。