『女の園の星』小林先生はなぜ熱狂的なファンを得たのか? 不思議な魅力を考察
互いに輝きを増す「小林先生」と「星先生」
大人な印象を感じさせながら、子どもっぽさやミステリアスな一面をもつ小林先生であるが、星先生と比較すると対照的な要素が多く見えてくる。例えば筋肉質な小林先生と比較すると、星先生は体の線が細い。「9時間目」の扉絵で描かれたふたりの姿を見ると体つきの違いは明らかである。また「1時間目」で「気をつけてお帰りくださいませ」と女子生徒に声をかける星先生は「敬いすぎ」と突っ込まれる様子が見られ、生徒を適度にあしらう小林先生の対応と正反対だ。
“それこそ、始めは星先生が陰で、小林先生が陽のイメージだったんですが、最近はどちらかといえば小林先生の方が陰になっているかもしれません。”(参考:『注目の漫画家・和山やま 独特な世界観が生まれるアイデアの源は?』)
上記は作者の和山氏がインタビューで答えた言葉である。作品の星とも言える星先生と対極的な存在であるからこそ、大人な雰囲気と子どもっぽさのギャップやミステリアスな一面といった、小林先生の魅力は輝きを増すのだろう。 星先生の魅力も小林先生の存在があるからこそより際立ちを見せ、ゆえにふたりは作品で一、二を争う人気を得ているのだと考える。