ドラマも好評 『古見さんは、コミュ症です。』はコミュニケーションの喜びを描く
コミュ症の生活は楽ではない
「コミュ症の生活は楽ではない」とは、第1巻の冒頭に但し書きのように入っている文言だが、古見さんは人付き合いが苦手だとしても、人と関わりたくないと思っているわけではない。むしろ、思ったように人と関わることができないから、関係性を築いていくことに渇望しているかもしれない。だからこそ、自分が言ったことが相手にきちんと伝わる嬉しさ、誰かと何かを一緒にすることの喜びはひとしおだ。
現実ではなかなか恥ずかしくてその喜びを表現することはできないが、古見さんは全身から発している(只野くんにしか伝わっていないときがあったとしても)。当たり前のように思ってしまいがちな人と人とのコミュニケーション。本作は、その喜びを改めて実感させてくれるはずだ。