『東京卍リベンジャーズ』“オレの地元が最強”ポスターはなぜバズった? ヤンキー×地元の相性を考察

『東リベ』地元ネタを検証

 『東京卍リベンジャーズ』の大型キャンペーンが、9月13日からスタートした。まずは人気キャラクターが勢揃いした「日本リベンジャーズ」メインポスターと、担当キャラクターが全国のご当地代表として喋っている地元バージョン47種類がJR東京駅に出現。早くも話題になっており、公式が設定している「#オレの地元が最強」というハッシュタグもかなりの数が投稿されている。もちろん『東京卍リベンジャーズ』が今や飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を博しているということもあるが、ここまでバズったのには他にも理由がありそうだ。

 まず各都道府県のポスターがあるため、ついつい自分の出身地を探して地元民たちにシェアしたくなってくる。しかも書いてあるセリフも秀逸だ。「全国ツアーなのに岩手スルーしてんでねぇ…」(岩手)、「“ださいたま”って言ったヤツら見返して“ごめんなさいたま”って言わせてやる」(埼玉)、「別に怒っとらん…普通に喋っとるだけじゃ」(広島)……など県民ならピンとくるセリフや、「くまモンの親友がやられとっとに 日和っとる奴おるや?」(熊本)、「日本最強ってが? なまはげ先輩でねが」(秋田)など方言が盛り込まれているセリフなど、思わずニヤリとしてしまうセリフが添えられており、同郷の人と語り合うのにはうってつけなのだ。

 さらに、ヤンキーキャラと地方(地元)という親和性の高さも要因の一つだろう。というのも、ヤンキーは地元にいることがほとんどだ。『ヤンキーと地元』の著者・打越正行氏も「仕事と家が地元がらみのためそこから抜けることはなかなかできない」という旨を語っている。だからこそ、ヤンキーたちはみんな地元の言葉を使っている。それをヤンキーキャラに当てはめて全面に出したことで、親和性が高く違和感が生まれづらくなっているのではないだろうか。

 また、「このキャラクターはなぜこの都道府県なのだろうか」と考察する楽しみもある。例えば熊本県バージョンでは、マイキーが象徴的なセリフ「パーの親友やられてんのに “愛美愛主”に日和ってる奴いる?」をもじって叫んでいる。「一度決めたら梃子でも動かない」という熊本県民の気質を表す“肥後もっこす”は、マイキーの性格に通ずる部分もあるのではないだろうか。そう考えると熊本をマイキーが担当しているのも頷ける。他にも明るくしっかり者の美人が多い、というイメージの福岡県はヒナ、短気だが実は人情に熱い、なんてイメージもある茨城県はアングリー、眼鏡の生産量日本一の福井はメガネをかけた稀咲鉄太、神奈川は横浜に拠点を置く「天竺」の総長・黒川イザナなど、キャラの特徴と県民性や県の特徴を紐付かせたであろう組み合わせが多々見えてくるのだ。こうした考察をしてみるのも同キャンペーンの面白さの一つだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「漫画」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる