呂布、ノストラダムス、シモ・ヘイヘ……『終末のワルキューレ』人類代表を全解説

『終末のワルキューレ』人類代表を解説

 終末を賭けた人類代表vs神代表のタイマン十三番勝負を描く、究極のバトル漫画『終末のワルキューレ』。筆者はコミック1巻のラストで発表された人類代表一覧を見て、思わず胸を高鳴らせた。しかし勢揃いした代表の中には、名前のみ知る者や初見の者がいる読者も多いだろう。本作はキャラ設定が実在したモデルのエピソードを軸としているため、前情報を頭に入れておくとより楽しめる仕様になっている。そこで本稿では我らが人類の命運を握る「神殺しの13人(エインヘリャル)」の、モデルとなった人物を一挙に紹介していく。

1.呂布奉先

 呂布奉先は群雄割拠の古代中国を舞台とした、「三国志」最強の武将だ。三国志から1000年以上経過した明の時代に書かれた「三国志演義」では、身長は一丈(約230cm)あり、愛馬である「赤兎馬」に跨った勇猛な姿で描かれている呂布。しかし彼は三国志では狡猾な裏切り者として知られている。ただし武人としての強さはやはり尋常では無く、愛馬と共に「人中に呂布あり、馬中に赤兎あり」と称されるほどだった。

2.アダム

アダム(左)が意外な善戦で魅了した『終末のワルキューレ(2)』

 アダムは創造主であるヤハウェ・エロヒムによって造られた、人類の始祖である。地面の土を元に造られ、エデンの園に置かれたアダム。ヤハウェは彼に「ここのある木の実は食べていいが、『善悪の知識の木』の実だけは食べてはいけない」と話す。しかしヤハウェに様々な動物や妻となるイヴを与えられたアダムは、ヘビに唆されイヴと共に「善悪の知識の木」の実を食べてしまった。こうしてアダムとイヴはエデンの園から追放されてしまったのだった。

3.佐々木小次郎

 現代でも宮本武蔵のライバルとして知られる、佐々木小次郎。佐々木小次郎は腕の立つ剣豪で、身の丈ほどある愛刀「備前長船長光(通称“物干し竿”)」を携えていたと言われる。巌流島で武蔵と決闘する運びとなった小次郎。しかし決闘の場で2時間も待たされ鞘を捨てたことを敗北の予兆と指摘された彼は、冷静さを失い敗北したと伝えられている。得意技は振り下ろした刀を瞬時に斬り上げる「燕返し」。

4.ジャック・ザ・リッパー

ジャック・ザ・リッパーが描かれた『終末のワルキューレ(6)』

 ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)は1888年のロンドンで犯行を繰り返した、正体不明の連続殺人鬼だ。娼婦ばかりを複数人殺害しており、喉と腹部を切る犯行方法が特徴であったジャック・ザ・リッパー。その残虐な行いと報道機関の大々的な報道から、彼は世界で1番有名な殺人鬼となった。

5.雷電為右衛門

 日本の国技である相撲。その相撲界の頂である大相撲の歴史で、史上最強と謳われる力士が雷電為右衛門である。江戸時代では類を見ない巨体に恵まれた雷電には、強すぎていくつかの決まり手が禁止されていたという「禁じ手伝説」など、様々な伝説も存在した。彼の勝率「9割6分2厘」は、未だ破られていない歴代トップ記録である。

6.始皇帝

 始皇帝は中華統一の偉業を果たした、中国の初代皇帝だ。本名は嬴政で、13歳で秦国の王に即位した始皇帝は、他の6国を討ち滅ぼし紀元前221年に史上初となる中国全土の皇帝の位置に座った。史記では「目的の為なら下手に出るが、性格は虎狼のように残忍」と語られており、相当な暴君であったと予想されている。

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