時代を超えたシリーズ最新作『ときめきトゥナイト それから』に感じた“変わらない夢”

『ときめきトゥナイト それから』読んでみた

昭和臭の漂う平成にタイムスリップしたかったら、ぜひ

 時代設定は、愛良が開陸と共に彗星を撃退したあと。つまり、単行本が発行された2000年くらいだと予想されます。江藤蘭世のファッションは、80年代が意識され、髪型も当時はやったふわふわソバージュ。慣れ親しんだ物語の人々の設定はそのままキープされ、今のようなテックまみれの世界に無理矢理調節させられている体でもありません。若かりし頃に楽しんだ『ときめきトゥナイト』の世界観から『それから』にすんなり移行することができました。

 心配していた真壁俊への恋心に悩まされることなく、ソフトランディングな感じで物語を楽しめましたし、昭和と平成初期のノスタルジックも感じられました。かといって、懐かしさ一辺倒ではなく、すでに不穏な空気も流れ始めているので、これから物語も盛り上がっていくこと間違いなし。どちらにしても、ずっと追い続けます。

 「Cookie」は奇数月の26日頃発売。2話目が読めるのは今月下旬なので、未読の方はデジタル版で読んでおいてみては。

 とりあえず筆者は、いまだにラブラブ熱々な蘭世と俊をみながらキュンキュン中。同時に自分の生活と比較して色々考えるところがある次第。やっぱり少女漫画には夢が詰まってますね。

■中川真知子
ライター。1981年生まれ。サンタモニカカレッジ映画学部卒業。好きなジャンルはホラー映画。尊敬する人はアーノルド・シュワルツェネッガー。GIZMODO JAPANで主に映画インタビューを担当。Twitter

■書籍情報
「Cookie(クッキー)」7月号
定価:700円(税込/電子版)
出版社:集英社

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