【レシピ挑戦】スーンヌーン、ガパオライス、カムジャタン……「パクチーボーイ」のエスニックごはんを作ってみた
鹹豆漿(シェントウジャン 台湾風豆乳スープ)【台湾】
「今年こそ台湾に行こう!」と計画し始めた矢先にコロナ禍に見舞われ、あれよあれよと身動きが取れなくなってしまった。というわけで、妄想アジア旅行の最後は、宙ぶらりんになってしまった旅の食べたいものリストにメモした鹹豆漿(シェントウジャン)で締めたいと思う。台湾では朝ごはんの人気メニューだそうだ。
黒酢などの材料をどんぶりに入れたら、温めた豆乳を上から注ぐ。すると、酢の効果で凝固反応が起き、もろもろっとした豆乳スープが出来上がる。現地では油条(揚げパン)を添えるのが定番だそうだが、エダジュンさんおすすめのガーリックトーストと共に食した。スープのふるふる感が優しく胃を目覚めさせ、良い香りのトーストがお腹を満たす。確かにこれは、毎日でも食べたい、最高のおめざセットだ。
そろそろ現実に戻ろう。この記事に登場した料理で使ったアジアの調味料は、コチュジャン、ナンプラー、オイスターソース。ハーブ類は、パクチー、バジル、ミント。あとは、ごま油や料理酒、味噌やはちみつなど、家にあるものをプラスしたのみ。エダジュンさんが提案する「できるだけうちにある調味料でつくる」コンセプトが文字通りキッチンで功を奏し、半ば眠りかけていたスイートチリソースも、エスニックナポリタンで日の目を見た。
若かりし頃に著者が旅の先々で大影響を受けたという本書の各国料理の数々は、きっと多くの読者の旅行欲に火をつけるだろう。ひょっとすると、その中から、第二のパクチーボーイやパクチーガールが生まれるかもしれない。優れた料理書に一度ならず人生の舵を切られてきた私は、そんな明るい予感さえも抱いた。
『できるだけうちにある調味料で作る! エスニックつまみとごはん』
エダジュン 著
定価:1,540円
出版社:主婦と生活社