『天使なんかじゃない』『君に届け』の共通点は? 時代を超えて愛される学園恋愛マンガの主人公

時代を超えて愛される『天ない』『君届』

恋だけじゃない、友情、イベント、進路の悩み

 話の中心は恋愛だが、高校3年間は現実でも濃密な時間だ。『天使なんかじゃない』も『君に届け』も高校3年間を描き切ることで、高校生活の良いところも、つらいところも詰め込まれている。

 体育祭や学園祭など、学校のお祭りでの非日常感。そして修学旅行では何かとトラブルが起きがち。高校生活ではそういったイベントでほんの少し関係性が変わったりする。当時『天使なんかじゃない』の学園祭で登場するイベント「赤い糸の伝説」を真似した学校も多かったのではないだろうか(そして大抵マンガのようにはいかないのである)。

 そしてこの2作の大きなポイントは、高校生活で「親友」ができること。10代のころはお互いの環境が変わると、すぐに疎遠になってしまう。それから道が交わることなく二度と会わなくなってしまう友人もいるだろう。高校から大学、就職へ。それぞれの進路を選び、物理的な距離ができてしまうことも少なくない。

 元気で明るく人気者の翠と、陰気な雰囲気で友達も少ない爽子。一見、正反対に見える2人だが、共通点は「他人のためにがんばれること」。だからこそ、2人は信頼しあえる友人とめぐり会えたのかもしれない。

 大人たちの1年間よりもずっと濃密な高校生の1年間。そのきらめきと、憧れを詰め込んだ物語は、世代を超えて愛される。現実と違ったとしてもがっかりしないのは、そのきらめきが、私たちに夢を見せてくれているからなのではないだろうか。

■書誌情報
『天使なんかじゃない』8巻完結(りぼんマスコットコミックス)
著者:矢沢あい
出版社:集英社

『君に届け』30巻完結(マーガレットコミックス)
著者:椎名軽穂
出版社:集英社



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「漫画」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる