しんのすけ号泣、呪いのフランス人形、恐怖の鏡……『クレヨンしんちゃん』トラウマ回を検証

『クレヨンしんちゃん』恐怖のトラウマ回

しんのすけ対しんのすけ

 北与野博士が発明した鏡はボタンを押すと映した人間と正反対の性格を持つ同じ人間が生まれてくるという、特殊なものだった。しんのすけは「悪いことに使わない」という約束で、家に持って帰る。

 性格の良いしんのすけと、いつものしんのすけ。2人いることに戸惑うみさえが鏡の前に来ると、いつものしんのすけがボタンを押し、性格の良いみさえが現れる。ひろしは性格の良いみさえに「こっちのほうがいいかも」とご満悦。

 しかし北与野博士は「正反対の人間が生まれるということは、根はいい人間ということなら、腹黒い人間が出てくる」と危惧する。その心配は的中し、鏡から出てきたしんのすけとみさえは、優しさの裏に醜い心を持っており、本物を鏡の向こう側に葬り去ろうとした。

 結局ひまわりが手鏡を投げ捨て、そこに偽物が映ったため、向こう側の世界に帰っていく。駆けつけた北与野博士は、この特殊な鏡をハンマーで叩き壊した。(24巻)

ホラー要素も魅力的

 『クレヨンしんちゃん』は発表時期によって作風に若干の違いがある。そんないつもと違った面白さが如実に現れているのがトラウマ回なのだ。

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