『カードキャプターさくら』20年を経ても色褪せない魅力とは 革新的な設定を振り返る

『CCさくら』20年を経ても色褪せない魅力

ナチュラルに描かれる様々な「愛」の形

 作内では恋愛の矢印が向く方向が異性だとは限らない。知世はさくらのことを愛しているし、さくらと小狼は最初、同じ男性に片想いをする。そして、それを誰も咎めない。さすがに、小学生と担任の先生の恋は秘密にしているが、それもプラトニックな恋として描かれている。

 メインのキャラクターたちが小学生だから、先生に憧れ、好きになるのは少なくないことだし、年上に恋をすることも大いにあり得る。自分が異性を好きか同性を好きか、まだ曖昧な場合も多いだろう。

 『カードキャプターさくら』はその点すごく間口が広い作品で、キャラクターはもちろん、読んだ子どもたちの気持ちも否定せずフラットだ。当時としてはとても革新的な設定だったからこそ、現代でも違和感がない。これは何よりも長く読み続けられる大きな理由のひとつと言えるのではないだろうか。

■書籍情報
『カードキャプターさくら』1〜12巻完結(KCデラックス)
著者:CLAMP
出版社:講談社

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