『ワンパンマン』誰にも真似できないそのヒーロー像とは? 最強すぎる男の“満たされない心”

『ワンパンマン』真似できないヒーロー像

 ウェブコミック配信サイト「となりのヤングジャンプ」で2012年より連載され、原作をONE、作画を村田雄介が手掛ける漫画『ワンパンマン』。2015年、2019年にはアニメ化もされている人気作品である。

 主人公は最強ヒーロー「サイタマ」。就職活動に行き詰っていたところ、人類に害を成す「怪人」と出くわし、1人の少年を救う。そのできごとがきっかけで「自分はヒーローになりたかったのだ」とかつての夢を思い出し、ヒーローを目指す。しかし、ひたむきなトレーニングの結果得たのは、どんな敵もパンチ1発で倒してしまう最強の力と、“満たされない心”であった。

前代未聞 とにかく強すぎるヒーロー

 就職活動中に怪人に出会ったことがきっかけで、かつての「ヒーローになりたい」という夢を思い出すサイタマ。それから3年かけて、最強を手に入れた。どうやってそれだけ強くなったのか。サイタマと同じヒーローならば、理由が気になるところだ。いや、敵である怪人さえもその強さの理由を知りたがる。

 サイタマは言う。この強さの秘訣はトレーニングであると。具体的には腕立て伏せ、上体起こし、スクワット100回、ランニング10km。朝食はバナナでもいいから三食きちんと食べて、精神を追い込むために冬も夏もエアコンを使わない。そして1年半後、サイタマの頭髪は全てなくなっていた。つまり、ハゲるほど死にもの狂いで自分を追い込むことが強さの秘訣だと、サイタマは神妙な顔で語る。

『ワンパンマン』2巻(ジャンプコミックス)
『ワンパンマン』2巻(ジャンプコミックス)

 その話を聞いたサイボーグでサイタマを師と仰ぐジェノスはこう叫ぶ。

「ふざけないでください!」

 そんな冗談を聞くためにあなたのもとに来たのではない、とご立腹だ。ごもっともである。この程度のトレーニングなら現代社会でも行っている人は多いだろう。やっている人なら分かるはず。人より体が引き締まる程度である。とは言っても仕方がない。だって、本人はそれで強くなったと言っているのだから。

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