『進撃の巨人』最新刊が『呪術廻戦』抑えてトップに 週間コミックスランキング考察
最後に、今回のランキングを見ていて少し気になった点を挙げると、『呪術廻戦』の1巻から8巻という物語の序盤の巻が軒並みランクインしているにもかかわらず、0巻(注)がそこに入っていないことだ。
注……『呪術廻戦』の週刊連載が始まる前、『ジャンプGIGA』にて芥見が連載した『東京都立呪術高等専門学校』全4話を収録したもの。
もしかしたら、同作に「0巻」なるものが存在しているのを知らない人がいるのかもしれないので、念のために書いておくが、『呪術廻戦』本編のプリクエル(前日譚)ともいうべきこの巻では、かつて起きた夏油傑と呪術高専の面々との死闘が、乙骨憂太(0巻の主人公)が呪術師として成長していく姿とともに描かれている。
当然、その物語に(1巻の第1話が初登場となる)虎杖悠仁が顔を出すことはないが、この巻で描かれているエピソードを知っているのと知らないのとでは、物語全編を通しての「陰の主人公」ともいうべき五条悟というキャラクターを深く理解するうえでは大きく違ってくると思うので、未読の方はぜひ読まれたい。
■島田一志……1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。https://twitter.com/kazzshi69