『呪術廻戦』釘崎野薔薇の生き様が読者を惹きつける理由 「私が私である」ための戦い

『呪術廻戦』釘崎野薔薇の魅力とは?

※以下、ネタバレ注意

 単行本第5巻――京都姉妹校との交流会(という名のチームバトル)で、対戦相手の西宮桃(京都校3年)に、「女の呪術師が求められるのは “実力”じゃないの “完璧”なの」といわれた野薔薇は、こう切り返す。「男がどうとか 女がどうとか 知ったこっちゃねーんだよ!! (中略)私は綺麗にオシャレしてる私が大好きだ!! 強くあろうとする私が大好きだ!! 私は『釘崎野薔薇』なんだよ!!」――と。

 ちなみにのちに勃発する「渋谷事変」(単行本第10巻〜)において、彼女は生死にかかわる深刻な事態に陥ってしまうのだが、この、「私が私であるために」戦い続ける、金槌を片手に持った美しき呪術師の生き様は、きっと『少年ジャンプ』を読んでいる「少年・少女」の心にも熱い“何か”を注入していることだろう。

■島田一志
1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。Twitter

■書籍情報
『呪術廻戦(3)』
芥見下々 著
定価:本体440円+税
出版社:集英社
公式サイト

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