岸辺露伴の「だが断る」だけじゃない! 『ジョジョの奇妙な冒険』珠玉の名言5選

『ジョジョの奇妙な冒険』名言5選

  2020年の年末に放送されたドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)の反響を受け、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』が再び脚光を浴びている。

 オンエアでは岸辺露伴の名ゼリフ「だが断る」が実写オリジナルとして付け加えられたり、原作では伏字になっていた「XXXX野郎がァーッ!」が「ビチグソ野郎がァーッ!」(第3部『スターダストクルセイダース』に出てくる名ゼリフ)と表現されていたりと製作陣によるジョジョ愛が炸裂した脚本、演出となった。

 そこで本記事では、「だが断る」にも負けないジョジョの名言を紹介。中でも、知る人ぞ知る「PLUCK(勇気をッ!)」を与えてくれる名ゼリフ5選を2021年の始まりにお届けしたい。

逆に考えるんだ(第1部『ファントムブラッド』 第4巻より)

 ジョナサン・ジョースターとブラフォードとの決闘で登場するセリフ。闘いは水中戦となり、ジョナサンは波紋に必要な呼吸が出来ない不利な状況に。溺れ死にそうなジョジョの脳裏に浮かんだのが、愛犬ダニーと遊んでいた際に父のジョージ・ジョースターから言われたアドバイスだった。

「なにジョジョ? ダニーがおもちゃの鉄砲をくわえてはなさない? ジョジョ、それは無理矢理引き離そうとするからだよ。逆に考えるんだ。『あげちゃってもいいさ』と考えるんだ」

 普通の人間は追い詰められ、息が苦しければ水面に出ようと考える。しかし、ジョナサンは湖底へと潜り、地盤沈下によって岩と岩の間に閉じ込められた酸素を吸い、青緑波紋疾走(ターコイズブルーオーバードライブ)を放ったのだ。

 この“逆に考える”発想は、後のジョジョのストーリーにも色濃く息づいている。例えば、第4部『ダイヤモンドは砕けない』の最終決戦で、東方仗助はキラークイーンが放つ空気弾から逃げるのではなく自ら向かっていき、川尻早人は爆弾に変えられた虹村億泰を救うために彼に触れ運命に立ち向かっていく。第6部『ストーン・オーシャン』で厳正懲罰隔離房(ウルトラ・セキュリティ・ハウスユニット)にブチ込まれた空条徐倫は、クソをひっかけられようと、虫だらけのパンを与えられようと逆に強くなっていった。どれもブッ飛んだ根性が可能にする行動かもしれないが、発想の転換はどんな場面にも応用できる考え方である。

違うね……「道」というものは自分で切り開くものだ(第3部『スターダストクルセイダース』 第17巻より)

 空条承太郎がホイール・オブ・フォーチュンの本体ズィーズィーに言うシンプルにかっこいいセリフ。これは前振りとしてズィーズィーの「おまえらには文字どおりもう『道』はない。逃げ『道』も、助かる『道』も、エジプトへの『道』も、輝ける未来への『道』もない」というセリフがあってのアンサーである。この後に、手本としてスタープラチナのオラオララッシュで道を切り開く承太郎は、ジョジョシリーズの中でも王道と言っていい主人公キャラと言えよう。「道」と言えば、後に、第5部でジョルノ・ジョバァーナが言う「『覚悟』とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開く事だッ!」という名ゼリフもある。

 ちなみに、ズィーズィーが承太郎一行に宣言する「勝ったッ! 第3部完ッ!」は、ジョジョの中でも珍しいメタ発言。これに承太郎も「ほーお、それで次回からは誰がこの空条承太郎の代わりをつとめるんだ?」「まさか、てめーのわけはないよな!」とメタ発言で返す、登場キャラ全員がノリノリな回でもある。

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