『ジョジョの奇妙な冒険』岸辺露伴、トリックスターとしての魅力とは? 正義と悪の二面性を考察

『ジョジョの奇妙な冒険』岸辺露伴、トリックスターとしての魅力とは? 正義と悪の二面性を考察

 荒木飛呂彦の『岸辺露伴は動かない』が、高橋一生主演で実写ドラマ化、本日(2020年12月28日)から3夜連続でNHK総合にて放送される。なお、ドラマ版全3話のうちの2本、『富豪村』と『D.N.A』は荒木の漫画が原作だが、残りの1本、『くしゃがら』は、北國ばらっどによる小説(短編小説集『岸辺露伴は叫ばない』収録)が原作である。

正義と悪の二面性を持ったトリックスター

 岸辺露伴とは、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部『ダイヤモンドは砕けない』のサブキャラクターのひとりである。職業は漫画家で、『ピンクダークの少年』というサスペンス・ホラー作品で人気を博している。何よりも「リアリティ」を重視し、「自分の見た事や体験した事、感動した事を描いてこそ」漫画はおもしろくなるのだと考えている露伴は、取材やネタ集めに関しては手段を選ばず、その結果、大変な目に遭ったりもするのだが、懲りる様子はまったくない。また、(後述するが)「スタンド」と呼ばれる異能の持ち主でもある。

『ジョジョの奇妙な冒険(34)』

 物語初登場は、同作の単行本第34巻(ジャンプ・コミックス版)。この時はいわば「悪役」として登場し、最終的に、髪型を馬鹿にされて逆上した主人公の東方仗助にボコボコにされてしまう。……のだが、この「スゴイ体験」を「作品に生」かそうとして、瀕死の状態でメモとスケッチを描き始める“漫画家魂”は、お見事というほかない(実際、その様子を見ていた仗助の友人・広瀬康一も呆れながら、「もうここまでくると誉めるしかないね」といっている)。

 そののち露伴は、口では「だからおまえ(仗助)の事が嫌いなんだ」などといいつつも、なんだかんだで仗助らとともに戦うことになる(有名な「だが断る」のセリフも、実は仗助のことを守ろうとしていった言葉だったりする)。

 とはいえ、あくまでも敵か味方かわからない怪しげな存在である、というところが、この岸辺露伴というキャラクターを味わい深くしているのは間違いないだろう。彼のような正義と悪の二面性を持ったトリックスターが世界をかき乱すからこそ、物語はおもしろくなるのだ。

 露伴が使う「スタンド」(異能)の名は、「ヘブンズ・ドアー」。人を「本」にしてその記憶を読み取るだけでなく、新たに文章(記憶)を書き込んで自由に操ることもできる。この異能はある意味では“最強”といってもいいくらいだが、彼は決して私利私欲のためにスタンドを使わない(ただし、おもしろい漫画を描くために使うことはあり、そのクセが悪い形で出てしまったのが、初登場時の「悪役」の露伴であろう)。

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