YouTubeでバズった“フライパン1つで作るパスタ”とは? たった15分でプロの味を実現
えびのうまみ凝縮!「赤えびの白ワイン風味」
次は「味つけも作り方もミニマムに!肉と魚のメイン料理」コーナーから、えびの蒸し煮料理にトライ。
一尾100円の赤海老が、包丁を入れてから10分もかからずに、しゃれた一品に大変身。
最後に煮詰めたソースには、えびの頭から出た味噌のだしが効いている。それを淡白なえびの身に絡め、バゲットでぬぐいながら、たった二尾しか買ってこなかったことを心から後悔した。
混ぜて固めるだけ!「自家製ソースのパンナコッタ」
最終章「お店の味を再現できる!前菜&ドルチェ10」からは、食後にピッタリのデザート「パンナコッタ」をチョイス。
ここまでは材料も分量もレシピに忠実に作ってきたが、残念ながら指定の「バニラ(棒)」が近所で売られていなかったため、家にあったバニラビーンズペーストで代用した。
パンナコッタは生クリーム(panna)を煮て(cotta)冷やし固めたイタリア生まれのスイーツだ。巷には牛乳を加えるレシピもあるけれど、本書で紹介されるのは100%生クリーム使用の濃厚かつ簡単タイプ。むっちりとしたパンナコッタと、冷凍ミックスベリーでパパッと作ったソースの甘酸っぱさが後を引く。どんなにお腹いっぱいでもペロリと食べられてしまう、パスタの締めによく合うデザートだ。
他にも「濃厚イタリアンプリン」や「スノーボールクッキー」などのスイーツレシピが掲載されている。甘いもの好きにとっては一石二鳥の一冊となるだろう。
おうちごはんの強い味方
デザートのパンナコッタ以外はどれも15分以内に完成し、手抜きならぬ"手間抜き"で本格的な味に仕上がった。他にも、さんまかば焼き缶、ツナ缶、かにみそ缶などを用いた簡単メニューも掲載。自炊を始めたての人から料理慣れしている人まで、幅広い層が楽しく美味しく日々のおうちごはんを楽しめる一冊だ。
今後ワンパンパスタが普及したら、パスタ作りがもっととっつきやすいものになるかもしれない。ひょっとしたら「かつて人々がパスタを作るときは、大鍋に水を汲んで、よっこらせとコンロに運んでいたんじゃ・・・」なんて語られる未来が訪れるかも?
片っ端からレシピを試してみたくなる衝動に駆られる本書を手にして、そんなことがふと、頭に浮かんだのだった。
■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中のベーシスト/ライター/シュフです。趣味の料理本集めで見つけた、役立つ本を紹介します。Twitter。
『フライパンだけで完成! ほぼ15分でプロの味! めんどうな日でも作りたくなる極上パスタ』
小林 諭史(Chef Ropia)著
定価:本体1,300円+税
出版社:KADOKAWA
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