『美味しんぼ』山岡士郎の意外な趣味とは? 男心をくすぐるエピソード4選
漫画『美味しんぼの』中心人物、山岡士郎。中華料理屋で堂々と中国人経営者に「紛い物」と宣言する、新規開店デパートにダメ出しをするなど、初期の荒々しさは凄まじいものがあった。
そんな山岡だが、漫画の中で意外な趣味や知識を見せるシーンも多かった。そこで今回山岡士郎の意外な趣味を検証してみたい。
ベーゴマの名手
かつて東西新聞社に所属し、山岡に想いを寄せ、財界でも一目置かれる社長と結婚した真山さん(旧姓林)。久しぶりに東西新聞社を訪れると、大富豪の夫が「偏食すぎるため自分の料理を食べてくれない」と愚痴をこぼす。
栗田ゆう子の計らいで嫌々ながらも真山氏の偏食を直すことになった山岡は、文化部のメンバーと真山邸を訪れる。そこで山岡が目にしたのはベーゴマ。真山氏は休みの日、一日ベーゴマに興じているのだという。
山岡はおもむろにベーゴマを始めると、上手く回してみせる。様子を見て驚く真山氏に山岡は勝負を持ちかけ、真山氏が「何を賭ける?」と聞かれると、「昭和20年代の面子のコレクションを持っています」と意外なコレクションを告白する。
いざベーゴマを行うと、山岡が勝利。山岡は「ガキの頃にわんぱく連中相手に揉まれて身についた技とは違うのは当たり前ですよ」と勝ち誇る。どうやら山岡は、少年時代ベーゴマでならしたようだった。(美味しんぼ4巻より)
ジャズ好き
文化部メンバーとジャズ鑑賞に訪れた山岡。「若い人がジャズを見直している」という話題に、「ジャズのコード進行は高度で複雑だから、味のある響きがあるよね」と、薀蓄を垂れる。
その後、同じくジャズ好きの三谷さんと意気投合し、馴染みのジャズ喫茶へ向かう。店の特性ソルトピーナッツを食べていると、店主の喜多さんが、「山岡さんはバッド・パウエルが好きだったな。お土産だ」とレコードを渡す。そして三谷さんにはジョン・コルトレーンのレコードをプレゼント。
山岡は「JAZZ AT MASSEY HALLのDEBUT原盤まであるぞ! この盤はこの店の象徴じゃないか」と大興奮。しかし、このレコードを手放すことにしたことに疑問を持ち、喜多さんに聞くと、「客が来ないから店を閉める」と告げられる。ここから山岡はジャズ喫茶復活のために力を尽くすのだった。
ちなみに山岡は27巻でも、ミルト・ジャクソンのチケットが取れなかったと、肩を落とし、「主催者が宣伝用にあっちこっち配ったんで販売枚数が減った」「わけのわからないマスコミ関係者にミルト・ジャクソンの音楽を聴かせてどうするんだよ」「天才に対して失礼だ」と憤っている。
山岡の欲しがったチケットは、ジャズに興味がない富井副部長が持っていた。結局、紆余曲折経て副部長のピンチを救い、無事チケットを貰い受ける。山岡のジャズ好きは、筋金入りだ。(美味しんぼ8巻、27巻)
ラグビーをプレー
スポーツとは縁遠いイメージのある山岡だが、ラグビー日本代表がスコットランドにテストマッチで勝利したこと(1989年・実話)に感動。素人ラグビーチームに入っているというカメラマンの近城から「練習後のビールが美味いから一緒にやらないか」と、声をかけられる。
山岡はビールに惹かれ、「東京蹴球団」に入部。コーチは、元オーストラリアのナショナルチームのメンバーだった。東京蹴球団はオーストラリアチームとの試合をする。当初はリザーブだった山岡だが、近城の負傷交代に伴いフィールドへ。勢いよくボールを持ち走るも、タックルを受け延びてしまう。結局、蹴球団は0対150で負けてしまった。
33巻ではラグビーの練習後、チームメイトの近城から「栗田さんと近城の結婚できるよう力を貸すよう約束する」ことを迫られる描写も。ラグビーに一定の情熱を持っていることは、間違いないようだ(美味しんぼ23巻、33巻)