『かぐや様は告らせたい』白銀会長の「弱さ」は美点にもなるーー恋愛頭脳戦は次のステージへ
“わかるか四宮 これが俺の気持ちだ”
安定しているように見えて、白銀の自己肯定感は低い。彼は幼稚園受験に失敗し、母に失望されたことが強いトラウマになっている。「素の自分では他人に受け入れてもらえない」と思い込んでいる白銀は、ひたすらに時間をかけて努力することを己に課し、外には完璧な姿だけを見せようとする。
“本当の自分なんて 一生見せるものかよ”
用意周到に準備されたハートの風船での想いの告白は、そんな白銀の自信のなさの表れでもあった。その想いを四宮は受け入れ、限りなく両想いになった二人。だが、四宮はそこからさらに踏み込んで、白銀が隠した「弱さ」の半面も受け入れようとする。
“あの風船はとても素敵でロマンティックだけれども、でもそうじゃなくても良い”
“何も隠すことなんて無い それが 私が会長にあげられるロマンティックです”
四宮の言葉を受けて白銀はやっと、完璧な部分だけを見せるのではなく、弱さを見せあい、支え合うような関係の築き方を知る。
意地の張り合いから始まった「恋愛頭脳戦」。最後の意地を四宮の素直さにほどかれて、白銀の「バトル」ではない恋がようやく始まっていく。
■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。満島エリオ
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