『約束のネバーランド』の世界はまだ終わらない! 『ジャンプ』漫画、続々と海外ドラマ化するワケ

ジャンプ漫画、続々海外ドラマ化決定のワケ

 『週刊少年ジャンプ』2020年28号で約4年に渡る連載に終止符を打った漫画『約束のネバーランド』が、海外ドラマ化することが決定した。

 本作は、全世界で累計発行部数2100万部(電子版含む)を突破する人気作で、日本でも2020年12月に浜辺美波主演の実写映画の公開が予定されている。連載終了直後の作品が海外ドラマ化されるニュースは珍しく、瞬く間に多くの人の知るところとなった。

『約束のネバーランド』1巻

 『約束のネバーランド』が海外でドラマ化される要因とはなんだったのか、また今後注目すべき点などを、漫画・ドラマに詳しい評論家の成馬零一氏に聞いた。

「『約束のネバーランド』はダークファンタジーです。孤児院で育てられた少年少女たちは、ママと呼ばれるシスターの元で幸せに暮らしていたのですが、実は自分たちが“鬼”と呼ばれている怪物の食料として出荷される、食用児だったことを知り、孤児院から脱走をしようとするのが大筋です。密室・心理サスペンスのような側面もあり、特に序盤の脱走計画のくだりはお話として良くできているので、ドラマ化しやすいだろうと思いました」

 まだ配信時期もキャストも決定していない本作。現時点で公開されているのは、監督(ロドニー・ロスマン)・プロデューサー(マシ・オカ)・脚本(メガン・マロイ)・制作スタジオ(FOX21)、そして配信がAmazon Prime Videoであるということくらいだ。

 指揮を執るとされているロドニー・ロスマン監督については、「『寝取られ男のラブ♂ロマンス』の製作総指揮や『22ジャンピングストリート』の脚本などのコメディ作品で知られる方ですね。監督作は『スパイダーマン:スパイダーバース』のみですが、この作品は監督が3人いて、どちらかというと制作にクレジットされているフィル・ロード&クリス・ミラーの作品として評価されている側面が強いです。そのため、ロドニー・ロスマン監督だから作品がこうなるということは、まだ言えないのですが『スパイダーバース』のようなコミックスの良さを活かした作品になることを期待しています。ただ、海外ドラマは制作に時間がかかるので、制作発表の時と、完成した時では全然違う人が作っていたなんてこともあるので、どうなるかわからないですけど」と語る。

 一方、日本の漫画が海外でドラマ化されるケースは、だんだん増えていると成馬氏は続ける。

「例えばNetflixでは『ONE PIECE』や、テレビアニメ『カウボーイビバップ』(1998年放送開始)の実写化が決定しています。おそらく、配信ドラマのフォーマットは日本のコンテンツ、特に連載漫画と相性がいいのだと思います。昔は、映像化の選択肢が、映画や国内のドラマしかなかったので、そのフォーマットに無理やり押し込めていましたが、配信ドラマは、2時間弱と尺が決まっている映画や、1クールが常態化している日本のテレビドラマと比べても時間の制約が少ないので、物語を端折ったり、キャラを削ったりすることなく、作品を作り込むことができます」

 配信ドラマは、漫画ファンにとっても納得のいく仕上がりになる可能性が高いと成馬氏は続ける。

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