ラファエル『秒で決めろ!秒で動け!』は究極の時短本? 年収5億円YouTuberが明かす自己管理術

ラファエル『秒で決めろ!秒で動け!』評

  例えば、

芸能人に会食を誘われても、断ったりスルーしたりすることはよくあります。
芸能人と友達になりたいという承認欲求もないからです。
せいぜい周囲に軽い自慢話ができる程度であり、そこに大きなプラスはありません。(P97)

  と冷たく言い放つところからは逆に強烈なコンプレックスのようなものを感じるし、

僕にとって視聴者=ファン、フォロワー=ファンではありません。僕は熱烈なファンとの交流はあまりメリットがないと考えます。

ですからオフ会なんかも絶対やりません。(P197)

僕はお金が好きだし「悪党」だと自覚していますが、決して「悪魔」ではありません。

疑似恋愛でファンからお金を集め、裏ではしっかり彼氏と仲良くやっているアイドルはたくさんいますが、人の気持ちまで奪うのは「悪魔」の所業です。(P198)

 と、熱を帯びるあたりで、アイドル的な女性となにかあったんだろうかと心配になる。とはいえ、そんなことくらいでラファエル像は崩れないし、秒速で成功に近づきたいフォロワーにとっては些細なことかもしれない。

 ただ、不安なのは、そこまでして得る「成功」とは何なのかまでは明示されないことだ。詰め込んで働くことや、積み上げたルーチンをこなすことが目的化して、「ゴール」の先が見えない。そしてたぶん、ここに答えはない。「1秒でも無駄にしたくない」という主旨に賛同して手にとった読者が、この本を何秒かけて読むのか。このパラドックスの解き方を、ラファエルは白い仮面の奥から投げかけているのである。

■出洲待央
ライター、編集者。雑誌、書籍、WEBなど媒体を問わず、様々な記事制作やインタビューなどに関わる。

■書籍情報
『秒で決めろ!秒で動け!ラファエル式秒速タイムマネージメント』
ラファエル 著
価格:本体1,200 円+税
出版社:宝島社
公式サイト

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