YouTuber かわにしみきが語る、動画作りへのこだわりとメイクの力 「メイクは自分が前を向いていられる道具」

YouTuberかわにしみきが語る、メイク力

 ビューティー系YouTuberとして人気のかわにしみきが1月31日、初のスタイルブック『かわにしみきの…』(扶桑社)を発売する。

 かわにしみきは1989年11月11日生まれ、山梨県出身。人気雑誌『Popteen』のモデルを経て、2015年からYouTuberとして活動開始。YouTubeチャンネル「Kawanishi Mikiかわにしみき」は登録者数106万人(1月31日現在)。メイクやコスメ紹介などのビューティー系動画から質問コーナーやASMRなど幅広い動画を配信しており、ファンからは「みきぽん」の愛称で親しまれている。研究を重ねたメイクテクニックが支持を集め、整った顔立ちながら引きこもりやゲーム好きなどの一面や気さくな性格がファンを増やしている。

 初のスタイルブックを発売したみきぽんに、YouTuberとしての人気の秘訣を聞いた。(石井かすみ)

私の天職。人生の点を全てつなげたのがYouTube

――初のスタイルブックということですが、本を出すきっかけを教えてください。

みきぽん:2年くらい前からお話はいただいていて、こういう企画ができたらいいねっていう前向きな話はしてたんですけど、発売のタイミングを考えていたんです。チャンネル登録者数が100万人になったことと、やりたい企画も固まったのもあってやっと出すことができました。

――「やりたい企画」はどの部分ですか?

みきぽん:自分の半生を年号で紹介しているのはやりたかったことですね。この本を名刺代わりにしたかったんです。これを読んでもらったらかわにしみきという人間がわかるような。

――中学での不登校、高校が合わず通信制高校に通ったこと、うつ状態になって引きこもったことなどもオープンに書かれていましたね。本書の「人と自分を比べて『私は一番ブスだ』と常に思ってきたからメイクを研究してそれが動画にも活かせた」「みんな悩んでいることがあると思うけど、これを読んで『大丈夫、通過点だよ』って感じてもらえたらいいな」というメッセージが印象的でした。

みきぽん:私がこれまで学んだことやターニングポイントを点として全てつなげたものがYouTubeなのかなって。YouTuberは天職で、私の人生はここでやっと発揮できたと感じています。誰でも楽しいと思って続けられるものだったり、自分にぴったりはまる場所が探せば絶対あるんだなってことを伝えたいです。

――本の制作はいかがでしたか?

みきぽん:制作は3カ月間でバーッとこなしたんで大変でしたね。もう時間との勝負で、ギリギリまでやり取りしてましたね。デザイン、細かい文章の部分など妥協したくなかったのが一番大きくて、かなり無理なお願いも聞いてもらいました。

時間がかかっても納得できるまで自分で編集したい

――本書の中で「YouTube動画ができるまで」として、動画作りの手順を紹介していました。ネタ探し、リサーチアイテム集め、構成作り、撮影、 編集&書き出し、タイトル決め、サムネイル作り、アップロード、コメント確認という手順に分けられていましたが、どの部分に時間をかけていますか?

みきぽん:ダントツ編集ですね。これが一番。編集はいくら頑張っても早くするには手抜きするしかないですけど、でもそこを手抜いたら自分の良さがなくなってしまうと思うんです。しゃべりがうまい人だったら大丈夫だと思うんですけど、私はヘタなので編集がメインみたいなところがあります。

――「13分のメイク動画を作るのに編集10時間」ということも書いてありますね。編集を外注しているYouTuberも多いと思います。みきぽんも外注したこともあったそうですが、なぜご自身でやろうと決めたんですか?

みきぽん:思ったところが外注の方に伝わらなかったりするんですよね。カットが甘かったり、テンポ、テロップのつけ方だったり、効果音やBGMのバランスも……。だったら自分でやっちゃった方が早いかなって。早くはないんですけど(笑)。時間がかかっても自分が納得できるまで作りたいです。

視聴者の時間を無駄にしたくないから会話のテンポが重要

――特にどこを重視して編集していますか?

みきぽん:会話のテンポをめちゃめちゃ変えてます。みんな限られた時間で見てくれているので、無駄なものを省きたくて。YouTubeってどうしても飽きちゃうものなので、スッと消されちゃわないような動画を作っていきたいです。

――YouTuberはネタ探しも必要だと思いますが、どんな方法でネタ探しをされていますか?

みきぽん:いろんなサイトを見て流行っているものを探したり、買い物に行って気になった商品をチェックしたりですね。基本はネットで見るんですけど、月一くらいでプラザ、ロフト。デパコス系は伊勢丹や三越を回ります。広い店舗に行って、端から手に塗って試していったり。そうすると知らなかったブランドでも意外とよかったりするんですよね。あとは、コメント欄に全て目を通してリサーチに活かしてます。見てくれる方の需要に出来るだけ応えたいです。

――時間がかかってもとにかく端から端までチェックする、というのがみきぽんのネタ探しなんですね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる