不気味な“カメ人間”の絵が目を引く奇書『カメの甲羅はあばら骨』の有効な使い道とは?
もちろん、これだけを参考にすると元ネタがかぶってバレバレになってしまうから各自アレンジは必要ではある。ただ今までは各動物を参照するにしても、外側から見た姿が参考にされることが多かったが、この本があれば骨格という身体の内側から各動物を理解できる。リアリティにこだわる絵描きにとっても設定厨にとっても力強い味方になってくれる。
それ以外の人にとっては、逆に言えば、世に無数にいる動物擬人化キャラたちは、いったいどこが本物(オリジナルの動物)に近く、どこがウソをついている(人間に寄せている)のかがわかるようになる。これはこれでさまざまなフィクションを楽しむための副読本になってくれる。
もちろん、ただただ「奇書」として来客時に「こんなヘンな本があるんだよ」と見せるために本棚に収めておいたり、ウケ狙いでクリスマスや誕生日、記念日へのプレゼントにしたりするのも一興かと思われます。
■飯田一史
取材・調査・執筆業。出版社にてカルチャー誌、小説の編集者を経て独立。コンテンツビジネスや出版産業、ネット文化、最近は児童書市場や読書推進施策に関心がある。著作に『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの? マンガアプリ以降のマンガビジネス大転換時代』『ウェブ小説の衝撃』など。出版業界紙「新文化」にて「子どもの本が売れる理由 知られざるFACT」(https://www.shinbunka.co.jp/rensai/kodomonohonlog.htm)、小説誌「小説すばる」にウェブ小説時評「書を捨てよ、ウェブへ出よう」連載中。グロービスMBA。
■書籍情報
『カメの甲羅はあばら骨 ~人体で表す動物図鑑~』
川崎悟司 著
価格:¥1,000(税別)
公式サイト:https://www.sbcr.jp/product/4815604127/