岸優太が持つ七色の歌声 Number_iの音楽表現を支える“聴かせる”ボーカル、歌唱力の高さを紐解く

そして、岸が“七色の歌声”を持つことも、かねてからファンの間では有名だ。Number_iの楽曲を通しても、これまでにさまざまな歌声を見せてきた。たとえば、昨年リリースされた1stシングル『GOAT』収録の「Is it me?」は岸のはつらつとした歌い出しに引きつけられ、同シングル収録でシングルカットもされた「Blow Your Cover」は総じて艶っぽい歌い方とラストの〈愛させて Once again〉に痺れる。1stアルバム『No.Ⅰ』収録のソロ曲「Recipe」は優しく包み込むような声色で、楽曲は自身が作曲を手掛けたほか、昨年末に開催された全国ツアー『Number_i LIVE TOUR 2024 No.Ⅰ』では自らギター、ベース、シンセといった楽器を奏でていたことも記憶に新しい。
多彩な声色を駆使し、どの曲でも表情豊かな歌を届けてくれる岸。一方で、レコーディングの現場で彼が40回以上も同じフレーズを歌っていたことが『Newsweek』2024年8月13日・20日号(CCCメディアハウス)では明かされていた。Number_iの数多くの楽曲に携わり、メンバーを近くで見てきたMONJOE(DATS)も誌面のインタビューで「すごい真面目な部分があって、音楽的な技術も含めて、一番幅が広いなと感じますね」と語っている。イメージに近づくまで、何度も何度も繰り返す。試行錯誤しながら、一生懸命に、自分の納得のいくまで。聴く者を魅了する岸の高い歌唱スキルは、そうやってずっと積み重ねてきた賜物でもあるのだろう。
ひとつのことを極めていけるのも才能だ。音楽に魅せられた岸の歌声をこれからも聴けること、そしてNumber_iとして新たな作品が生まれていくことを、想像するとワクワクしてくる。〈ねぇ未来の俺にお願いごと〉――彼らが夢見るような大きな舞台で、歌声が響く未来もそう遠くないのかもしれない。
※1:https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2024/08/post-105554_1.php
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