平野紫耀と神宮寺勇太と岸優太、Number_iは三者三様でまったく違うから面白い 楽曲プロデュースに表れる個性

Number_iの音楽が面白い理由

 Number_iが、1月27日に新曲「GOD_i」を配信リリースしてから1カ月が経過した。リリース直後のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート「JAPAN Hot 100」(※1)においては首位を獲得し、その後も5週続けて同チャート入りを継続中。MVは本稿執筆時点(3月5日)で2200万回再生に到達している。

 面白いのは、「GOD_i」はタイアップはついておらず、この1カ月のうちにパフォーマンスされる機会も一切なかったこと。つまり、まだこれからさらに大衆に知れわたっていく可能性が秘められているわけで、仮に今後音楽番組で披露された際、どのような反応が起きるのか楽しみなところだ。

 「GOD_i」は、岸優太によるプロデュース曲で、5月19日にCDリリースされる2ndシングルの表題にも据えられている。昨年は平野紫耀が「BON」、神宮寺勇太が「INZM」を手掛けており、今回でメンバー全員がリードトラックのプロデュースを務めたことになる。あらためて誰がプロデュースしたのかを踏まえながら3曲を聴いてみると、それぞれ違いがあって面白いのだ。

Number_i - GOD_i (Official Music Video)

 まずは、先述した最新曲の「GOD_i」。この曲はHIPHOPを軸にしながらも、歌い出しをはじめとして随所に歌メロも入っている。歌詞もやや内省的な一面が見られ、2025年一発目のリリースという点を含めても、グループの新境地を感じさせる曲だ。

 鋭いラップパートもあればクワイアのような神聖的な響きもあり、一曲のなかに色々な要素が詰まっている。作編曲を務めたSHUN(FIVE NEW OLD)はインタビューで岸のことを「彼はめちゃくちゃ意見とアイデアを持っている」(※2)と話しており、これまでの岸のプロデュース曲を振り返っても、ポップな「No-Yes」やミニマムな構成の「Banana (Take It Lazy)」「Recipe」などバラエティに富んでいた。おそらく彼は音楽的な引き出しが多いのだと思うし、それが表れた楽曲群だと思う。また、「Number_i」の名付け親でもある岸が、自身のプロデュース曲に「GOD_i」というタイトルを付けたことにもこだわりを感じた。

 神宮寺がプロデュースした「INZM」は、昨年9月にリリースされたフルアルバム『No.Ⅰ』のリードトラック。ミクスチャーロックをベースとしており、サウンド面のかっこよさもありながら、話題となった「ズマズマ」をはじめとする中毒性の高いフレーズも含まれた、クセになる楽曲だ。そんなサウンドと歌詞のギャップは多くの人の関心を集めるための狙いが見えるし、“3”という数字にこだわったリリックや三度訪れるサビでメンバーがそれぞれメイン歌唱を務めているところなど、細部まで計算し尽くされているように思う。

Number_i - INZM (Official Music Video)

 また、「INZM」はオリジナル版に加え、生バンドを取り入れたアレンジバージョン「INZM (Hyper Band ver.)」が制作されたことも特筆すべきだろう。音楽番組でも何度かパフォーマンスされており、一曲を二通りの魅せ方で楽しませる発想にも、神宮寺のプロデュース力の高さを感じた。

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