LEEVELLES、予定調和にはいかない予測不能なライブ 新曲尽くしの初全国ツアー最終公演を振り返る
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LEEVELLESが初の全国ツアー『LEEVELLES Tour 2024 “音楽のすゝめ” 人の上で音を鳴らさず、人の下で音を鳴らさず』を開催した。ゲストを迎えた神奈川、大阪、福岡、名古屋公演を経て、11月15日に行われた東京でのツアーファイナルはワンマン公演。さらに、本ツアーは「チケット1枚につき同行者1名は無料招待」という形式が取られていた。
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東京公演の会場である代官山のSPACE ODDへ向かうと、カラフルな花で作られたバンドのエンブレムと、小川紘輔(Vo)が手掛けたイラストたちが入口でお出迎え。そんなフォトスポットを抜けてライブスペースへ向かい、しばらくすると、髙木皓平(Dr)による開演前アナウンスが聞こえてくる。いつもながら、LEEVELLESのライブは本編以外も入念に作り込まれている。
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期待の高まる演出の数々に触れて開演を待ちながら、初ツアーと無料招待の試みを踏まえ、勝手ながら、今回の公演はいわゆるバンドの自己紹介的な内容になるだろうかと考えていた。だが、いざライブが始まってみると、すぐに自分の考えが浅はかだったことに気づく。
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メジャーデビュー曲「ヨルヲカケル」でスタートした彼らが、2曲目に放ったのが「大怪盗」――つまり、いきなり未発表の新曲だった。「ヨルヲカケル」とは打って変わり、川﨑純(Gt)、宮地正明(Ba)、髙木が、攻撃的で生々しいバンドサウンドを響かせる。ギターを置いた小川が、拡声器を通して鋭く歌い上げる姿も初めて見るものだった。
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驚いたのは、このツアーのために用意された新曲はこれだけではなかったこと。順番が前後してしまうが、本編ではほかにも、もっと遠くまで飛んでいくという願いを歌った「グライダー」、美しいメロディの際立つバラード「Voyager」の2曲が届けられた。バンドは8月にメジャーデビュー1周年を迎えたが、途中のMCでの「もうちょっと“2年生だぞ”みたいなのを見せたいと思って」という小川の発言を受けて納得する。彼らは初めてのツアーで、ひとつ進化した、そしてこれからも進化し続けていく自分たちを見せるべきだと考えたのだろう。
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さらに小川は「いつもと違うことをやっていきたい」「予定調和じゃない何かを見せたいなって」とも話していた。その言葉通り、音源とは異なるアレンジを施した楽曲たちが届けられたことも本公演のハイライトだろう。6曲目の「キンセンカ」は小川がピアノで彩りを添えたバージョン。続く「王様のメロディ」は、メンバーは椅子に座り、髙木がカホンを叩き、途中でピアノの弾き語りパートも含めた構成で演奏された。原曲は疾走感のあるロックナンバーで、これまでのライブでは常に観客のギアを一段上げる役割を担っていた印象なだけに、アコースティックなアレンジで届けられたのは少し意外だった。ただ、そんないい意味で裏切ってくることこそ、今回のツアーで彼らがやりたかったことなのではないかと思う。
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