LEEVELLES、メジャーデビュー後初ワンマン 未来へ進む誓いを示した一夜
4人組バンド・LEEVELLESが、ワンマンライブ『地獄の沙汰もライブ次第』を東京と大阪にて開催した。本稿では、12月6日に銀座・BASE GRANBELLにて行われた東京公演の模様を振り返る。
開演時刻が近づく頃、髙木皓平(Dr)によってライブ中の注意事項がアナウンスされた。場内が暗転すると、これまでのバンドの歩みを描いたオープニング映像がステージ上のモニターに流れ出す。2019年8月に結成、2枚のフルアルバムをリリース、2022年12月7日に初のワンマンライブ開催、2023年8月にメジャーデビュー――。LEEVELLESにとって、今回のライブは自身2度目、メジャーデビューしてからは初のワンマンライブとなる。
映像が終わると、小川紘輔(Vo)、川﨑純(Gt)、宮地正明(Ba)、髙木に加え、サポートの西山ケイン(Key/Manipulator)がステージに登場。メンバーはひとりずつお立ち台に上がって一礼し、気合十分の様子だ。「今日はライブに来てくれて本当にありがとう! 最後までよろしくお願いいたします!」と小川がフロアに呼びかけ、彼らが作りだす世界へ誘うように、〈行こう〉と始まる「無限未来」でライブは幕を開けた。
「innocent」で壮大なバンドサウンドを響かせたあとは、〈明日はちょっとカラフルだ〉と歌う「カラフル」、〈Step&Step! 未来の向こうへ〉と歌う「Step&Step!」と、“明日”や“未来”への希望を歌った曲が続く。そもそもLEEVELLESというバンド名は「開拓を望む者達」という意味を持つ造語であり、「新しい音楽とバンドの未来を開拓していこう」という想いが込められているそうだ。
だからだろうか、LEEVELLESには未来への前向きなメッセージを歌った歌が多い。冒頭の映像の流れで見ると、バンドの過去から現在、そして未来へと続く物語を見ているようで感慨深くなった。
「盛り上がる準備はできてますか?」とフロアを煽った後は、髙木の力強いドラムを合図に「Mimic Me」へ。ここまでの明るくポップな雰囲気とは一転、ここからは「Black Duck」「killing me!〜輪廻転生〜」とダークなムードの曲が続く。宮地の重厚感のあるベース、川﨑の切れ味鋭いギターが攻撃的なサウンドを生み出し、会場の熱気を一気に高めていった。
4人の自己紹介を兼ねたMC後は、バンド初のCMタイアップ曲となった「ユレユレル」を披露。続く「Milkyway」「3月32日」では小川がピアノを担当し、繊細な音色に乗せて優しい歌声を響かせる。普段のライブでは見られない、ワンマンライブならではの貴重な一幕となった。
「Mulberry」を軽快に届けたあとは、彼らのメジャーデビューシングル「ヨルヲカケル」の披露へ。演奏中はモニターにMV映像が流れていたのだが、MVに出演したジェンダーレス・モデル/タレントの井手上漠が、演奏後にステージへサプライズ登場。「どうしても伝えたかったことがあって」と切り出した井手上は、「アーティストってすごいと思うんですよ」と、自分が辛い時に救ってくれるのが音楽だと話す。「このライブが誰かの人生を変えることになったら、(アーティストは)ヒーローですよね」という言葉を受け、小川も「曲を聴いてくれた人の人生が、いい方向に少しでも変わればいいなと思って皆さんに届けている」と音楽活動への想いを語った。
しばしのトークタイムを挟んだあとは、「キンセンカ」「王様のメロディ」で再び会場を盛り上げていく。熱気の高まる中、なんともうひとりゲストが来ていることが発表された。ステージに登場したのは、LEEVELLESがオープニングテーマを担当しているドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(カンテレ・フジテレビ系)に出演中の女優・前野えま。彼女は「地獄の沙汰も愛次第」のMVにも、ドラマ同様クレープ屋の店員役で出演している。MV撮影時のエピソードを尋ねられた前野は、小川が撮影中にクレープ5個ぐらい食べていたと明かして会場の笑いを誘う。再び和やかなトークタイムを終えると、その「地獄の沙汰も愛次第」を熱く演奏し会場を沸かせた。