THE RAMPAGEが「24karats」を継承する意義 逆境を乗り越え臨んだ東京ドーム公演成功のその先へ

THE RAMPAGE 東京ドーム成功のその先へ

 16人組ダンス&ボーカルグループ・THE RAMPAGEが7月24日に『24karats GOLD GENESIS』を発売した。同シングルは7月31日発表のBillboard JAPANの週間シングルセールスチャート「Top Singles Sales」と総合ソングチャート「JAPAN Hot 100」で首位を記録し、8月5日付のオリコン「週間シングルランキング」と「週間合算シングルランキング」でも1位を獲得した。9月11日、12日には3年ぶりとなる単独ドーム公演『THE RAMPAGE LIMITED LIVE 2024 *p(R)ojectR® at TOKYO DOME』も開催された。本稿では彼らが今回「24karats」を継承する意義とグループの魅力について、あらためておさらいしたい。

THE RAMPAGE / 24karats GOLD GENESIS (MUSIC VIDEO)

 今回リリースされた『24karats GOLD GENESIS』は、LDHの歴史と伝統を受け継ぐと同時に、今のEXILE TRIBEにおけるTHE RAMPAGEの無二の存在感を証明する特別な作品だ。24カラットの金=純金を意味する「24karats」シリーズは、2007年以降、混じり気のない金のように嘘偽りない本物の輝きを持った存在になるという意思の象徴とされ、所属アーティストにとっては憧れの楽曲でもあるといえる。

 「24karats」シリーズではこれまで、第1弾の「24karats-type EX-」(2007年)、二代目 J SOUL BROTHERS加入後のEXILE新体制でリリースした「24karats STAY GOLD」(2010年)、EXILEと三代目 J SOUL BROTHERS(以下JSB)のコラボで“EXILE TRIBE”名義初リリースとなった「24karats TRIBE OF GOLD」(2012年)、シリーズ初のEXILE単独名義作品「24karats GOLD SOUL」(2015年)、一般にも広く知られ、GENERATIONSも加わった新世代のEXILE TRIBEを示した「24WORLD」(2014年)などが受け継がれてきた。そして、“24イヤー”とされる20“24”にこの系譜を蘇らせ、約9年ぶり(EXILEのダンスと24karatsのファッションのコラボをテーマに制作された2018年リリースの「STYLE of 24karats」を含めると6年ぶり)にグループ単独でシングルとして「24karats」シリーズをリリースするのがTHE RAMPAGEだ。これはLDH史上、EXILEに次いで2グループ目となり、彼らが「24karats」を単独で託される数少ない存在になったことの証でもある。

 2017年のデビュー当時、EXILE TRIBEの末っ子だったTHE RAMPAGEは、今や中堅グループの筆頭格だ。8月10日から12日にかけてさいたまスーパーアリーナで開催された毎年恒例の夏の祭典『BATTLE OF TOKYO 〜Jr.EXILE vs NEO EXILE〜』では、今年初めて座長を務めた。かつてEXILEを夢見てアーティストの道を進んだEXILE TRIBEの四男坊が、今ではLDHの未来を担う次世代グループの中核として、彼らの背中を見て同じ道を目指したNEO EXILEの後輩たちからも慕われる存在となっていることに、感慨を覚えるファンも少なくないだろう。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / THROW YA FIST (LIVE TOUR 2019 “THROW YA FIST”)

 THE RAMPAGEの代名詞とされるのが、その名の通りステージ上を縦横無尽に暴れ回るパフォーマンスだ。LDH最多人数を誇るボーカル3人、パフォーマー13人が見せる勢いと力強さは「THROW YA FIST」や「100degrees」などの楽曲にも代表され、主にHIPHOPやEDMに軸足を置いたLDHらしい“ゴリゴリ”のパフォーマンスで軍団感のあるスタイルを貫いている。それだけでなく、パフォーマー5名からなる派生HIPHOPユニット・MA55IVE THE RAMPAGEが2021年リリースの「SILVER RAIN」や「No Limit」、今作「24karats GOLD GENESIS」などにラップパートで参加していたり、単独ライブツアーではボーカル3人それぞれのダンスの見せ場が用意されていたりと、EXILE TRIBEでも群を抜いた表現方法・既存の枠に囚われない活躍の幅広さがグループの味として年々磨き上げられているのも特徴だ。

 今作では、冒頭の歌詞が〈WE’RE BACK AGAIN/24karats〉から〈24karats’ back/With the RAMPAGE〉へとアップデートされていたり、MVでは上裸に黒ジャケットを纏い、横一列でこちらに歩いてくるシーンから始まったりと、「24karats TRIBE OF GOLD」を彷彿とさせる仕掛けも盛り込まれた。MVでは“魂を蘇らすためのモニュメント”の象徴とされるピラミッドをメインビジュアルに用い、金色はEXILEからの“継承”を、白は24karatsらしく“ストリート”なアイコンを、赤は“魂”をそれぞれ表現。こういったこだわりからも、EXILEの後を追いかけるだけでなく伝統を再解釈し、全く新しいものとしてTHE RAMPAGEカラーで生まれ変わらせる意思と覚悟が感じられる。少年時代から見てきた「24karats」の想いやレガシーを継承しながらも、EXILEの真似ではなくTHE RAMPAGEだからこそ見せられる“Neo 24karats”にアップデートさせること。そして、かつて夢見た“輝き”や“栄光”を自分たちの色で〈再定義〉できること。結成から10年でそれを叶え得るグループに大成したことが、このタイミングでのシングルリリースに結びついたのだろう。

 今回、THE RAMPAGEが「24karats」を継承する意義は、「EXILEを想像させる要素を多く持っていながらも、EXILEとは全く異なる存在であること」にあると考えられる。EXILEらしさは、人数の多さやボーカル・パフォーマー分離型という編成はもちろん、アンダーグラウンド感も滲む強い楽曲、J Soul Brothersから受け継がれるステップダンス、花道が会場全体に伸びるステージも余すところなく活用できる16人ならではのライブの魅せ方など、総合的な面から窺えるものだ。

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