THE RAMPAGE、最新シングルで堂々首位 時流に乗ったサウンドと楽曲構造の面白さに注目

CD Chart Focus

参考:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-08-05/

 2024年8月5日付(7月30日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、1位のTHE RAMPAGEの『24karats GOLD GENESIS』の推定売上枚数が219,758枚、2位のSTARTO for youの『WE ARE』の推定売上枚数が206,569枚と接戦が展開されました。THE RAMPAGEにとっては、2023年8月の『Summer Riot ~熱帯夜~ / Everest』以来となる2回目の首位獲得。なお、「24karats GOLD GENESIS」は、2024年7月31日公開のBillboard JAPAN 総合ソングチャート「JAPAN Hot 100」でも1位を獲得しています。

 THE RAMPAGEは、LDH JAPAN所属の16人組ダンス&ボーカルグループ。2014年の結成から10年、2017年の1stシングル『Lightning』でのメジャーデビューから7年のキャリアを積んでいます。

 そのTHE RAMPAGEの「24karats GOLD GENESIS」のMVは、YouTubeですでに820万回再生。冒頭から唸るエレキギターとともにシンガロングが響き、圧倒的な昂揚感をもたらします。そして楽曲は、バックトラックに抑え目ながらトラップが鳴り続けるなど、ヒップホップそのもの。LDHならではのサウンドでもあります。

THE RAMPAGE / 24karats GOLD GENESIS (MUSIC VIDEO)

 驚かされたのは、楽曲の構造です。J-POP的な「Aメロ、Bメロ、サビ」といった構造ではまったくなく、冒頭のシンガロングを過ぎると、Aメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロ……というように展開していき、冒頭のシンガロングのメロディは出てこないまま、ラップパートへ突入していきます。思いきった構成です。

 そして、歌とラップが絶え間なく続き、息つく間もないほどの密度。シンガロングのメロディが再び顔を出すのは、楽曲の最後なのです。間奏らしい間奏がやっと出てくるのは2分30秒を過ぎた頃で、ここはほぼダブステップで埋め尽くされています。肉声を重視していることもポイントで、ときに大胆にオートチューンが施されたパートも。メンバーのボーカルの個性を活かしているプロダクションであり、肉声と複雑な楽曲構造が渦を巻くように展開していきます。楽曲は4分強と決して長くはないものの、高い濃度を聴く者に提示します。

 LDH JAPANに所属するアーティストのライブを一度でも観ればわかるのですが、そこで重視されているのはソウルミュージック、R&B、ヒップホップ。そして、K-POPのアーティストは音楽的にはヒップホップグループであることが多いように、THE RAMPAGEのサウンドも時流に乗っていると言えるでしょう。それはそのまま、THE RAMPAGEを培ってきたLDH JAPANの強みでもあります。そして、歌詞には〈16通りの主義〉など、THE RAMPAGEのアイデンティティが色濃く反映されているのです。『24karats GOLD GENESIS』は、THE RAMPAGEの強みを押し出したシングルだと言えるでしょう。

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