22/7(ナナブンノニジュウニ)、ミュージカルスタイルで続ける進化 『Magic School Days』7月公演レポ

22/7、ミュージカルスタイルで続ける進化

 対決の物語とライブパフォーマンスが絡み合いながら公演は後半に向かい、両組が競うようなアレンジを見せながら披露された「地下鉄抵抗主義」「Just here and now」で22/7のハードな側面を表現するうち、勝負を優勢に進めるのはEARTH組。他方、「神様だって決められない」のパフォーマンスを通じ、自分たちで己の未来を決めようとする意志を見せるMOON組も巻き返す。やがて試験は最終審査に入り、「覚醒」がパワフルに披露されると、物語のクライマックスと呼応するように強く響く。

 「覚醒」までの試験=ライブパフォーマンスを走りきり、MOON組とEARTH組の戦いがすべて終わると、校長から告げられたのは「勝者は全員」という言葉だった。河瀬は天城に手を差し伸べ、「月と地球は離れられないんだよ」と声をかける。試験を通じて仲間と手をたずさえ、人々の幸せのために魔法を使うことを覚えた全メンバーがパフォーマンスするのは、ここまでのストーリーを集約してみせるような「君はMoon」。そして、あらためて「22/7 Magic School Days!」と全員で冒頭と同じタイトルコールを叫ぶと、両チームと観客とを一つにするように「世界中で歌おうぜ」が歌われ、本編は幕を閉じた。

 アンコールではグループの最新衣装をまとったメンバーたちが登場し、現在放送中のTVアニメ『ATRI -My Dear Moments-』(TOKYO MXほか)のエンディングテーマに起用されている「YESとNOの間に」を披露。ライブ本編の物語とは世界観を一変させた、爽快な楽曲で22/7の現在形を表現してみせる。同楽曲は10月30日に、グループの13枚目シングルとしてリリースされることも発表された。

 二つに分かれたグループが切磋琢磨し合い、やがて仲間と一つになることの大切さにたどり着いた7月の『Magic School Days』。しかし、本公演で描かれた魔法学校の物語は、8月公演の「Act2」へと続いていく。ストーリーの行方とともに、グループが武器の一つにしつつある、演劇と楽曲を一連の流れに組み込んだミュージカルスタイルの公演がいかに進化していくのか、次なる展開を楽しみに待ちたい。

秋元康による“四字熟語曲”、なぜ神曲多い? 櫻坂46筆頭に考えるタイトル含めたコンセプト作りの妙

櫻坂46の9thシングル『自業自得』6月26日にリリースされる。今作タイトルが“四字熟語”であることに着目し、これまでの秋元康に…

連載『lit!』第99回:日向坂46、FRUITS ZIPPER、22/7……シーン牽引するアイドルグループの新譜5選

週替わり形式でさまざまなジャンルの作品をレコメンドしていく連載『lit!』。この記事では、日向坂46、FRUITS ZIPPER…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる