GANG PARADE、13人で見せた進化の集大成 真冬の野音で繰り広げた大躍動の祭り

GANG PARADE、約4年半ぶり日比谷野音ワンマン

 「涙は風に、思いは歌に」が披露された直後のユメノユアのMCは、胸に深く迫るものがあった。「この曲は私と同期のヤママチミキと一緒に歌詞を書きました。GANG PARADEが始まってから9年間。ミキはいちばん私のそばにいて、いろいろなことを一緒に経験してきた大事な仲間です。活動していくなかで楽しいこともたくさんありましたが、うまくいかないことのほうが多かったです。でもGANG PARADEは、どんな時も今この瞬間を大切に生きてきました。やりたいことがあるのも、見たい景色があるのも、進んでいきたいと強く思えるのも、GANG PARADEとして生きていきたいと強く思えるのも、目の前にあなたがいてくれるからです。遊び人の君がここにいてくれるなら、私たちはどこまでも進んでいけると思います。これからも私たちのそばにいてください!」――この言葉を噛み締めながら披露された本編ラストの曲「INVOKE」は、GANG PARADEと遊び人が育んできた温かな絆を伝えてくれた。

GANG PARADE(撮影=外林健太)

GANG PARADE(撮影=外林健太)

 客席から沸き起こり、続けられた「まだ足りない! まだ足りない!」という声に応えてスタートしたアンコールの1曲目は「CAN’T STOP」。メンバーがひとりずつ現れて13人編成を徐々に作り上げていく様にはワクワクさせられた。サビに差し掛かると繋いだ手を高々と掲げ、一斉に身体を左右に揺らして踊り始めた遊び人。ステージからメンバーが眺めた風景は、とてもきれいだったはずだ。そして迎えた小休止。月ノウサギは、次に披露する新曲について語った。「THEイナズマ戦隊さんに書いていただいた新曲です。歌詞を書いてくださった上中丈弥さんが『この曲は、痛みも喜びも一緒に味わってきたメンバーを想って歌う歌だ。そんな想いを込めて書いたんだ』って言ってくれて。この曲を聴いて歌う度に『ひとりじゃないんだ』って思えるんです。13人もいるから時にはぶつかりますけど、一緒に歩いていけるメンバーがいて、そして何よりも遊び人がいてくれるから『ひとりじゃないんだ』と思うことができています」「遊び人がこの曲を聴いた時に『ひとりじゃないよ』『あなたにはギャンパレがいるよ』って思ってもらえるように、今から目いっぱい愛を込めて歌います。今伝えたいことが全部詰まっている曲です」――この言葉が添えられた「ROCKを止めるな!!」は、遊び人の歓声とGANG PARADEの歌声が熱く融け合っていた。

GANG PARADE(撮影=外林健太)

 ラストを飾った「Plastic 2 Mercy」は、一斉に飛び跳ねた遊び人のエネルギーが客席を震わせていた。この曲は数々の風景を生み出してきたが、この日また新たな歴史が刻まれていくのを感じた。プラニメからPOPへ、POPからGANG PARADEへ、2度の改名を経て始まったGANG PARADE。決して順風満帆だったわけではなかったこのグループが、プラニメが2014年にリリースした曲を大切にしながら歌い継ぎ、チケットがソールドアウトした野音のステージで鳴り響かせる未来に辿り着いた。明るい負けん気を常に発揮しながら歩んできた彼女たちの象徴とも言うべき「Plastic 2 Mercy」は、とても幸せな曲だとあらためて思った。

GANG PARADE(撮影=外林健太)

 「今日は全国各地から集まってくれたんじゃないかなと思うんです。今度は私たちがみなさんに会いに行きたいと思います!」――6月から9つの都道府県を回るオールスタンディングのツアー『AVANTGARDE PARADE TOUR』が始まることが発表され、ユイ・ガ・ドクソンの一本締めで迎えた終演。名残惜しそうに何度も手を振り、笑顔を浮かべていたメンバーたちの姿が眩しかった。久しぶりの大舞台でのワンマンライブを成功させた手応えは、2024年のGANG PARADEの活動を支える力となっていくだろう。

GANG PARADE(撮影=外林健太)

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