木村拓哉が共演者たちに与えてきた刺激 周囲を鼓舞することが自身も輝き続ける秘訣に

 木村拓哉がパーソナリティを務めるラジオ『木村拓哉 Flow supported by Spotify』(TOKYO FM)に、11月のマンスリーゲストとしてモデルの冨永愛が登場。木村が思わず「ノックアウト!」「カッコイイっすね!」「ダウンを取られた」と言わずにはいられない、気風がいい冨永らしいエピソードの数々が語られた。

開拓者の2人に共通する孤独に腐らない強さ

 中学3年生でモデルデビューを果たし、高校3年生で雑誌『VOGUE JAPAN』(コンデナスト・ジャパン)の表紙モデルに抜擢。そのとき掲載された制服姿が世界へと羽ばたくきっかけになったという話に。平成の女子高生を代表するミニスカート姿の写真を前に「高校の入学式のときに、一発決めていこうと思って制服のスカートを自分で切った」と告白する冨永。内心では、短くしすぎて「失敗した」と思いながらも、先輩から「調子のってんじゃないの?」と呼び出されたときには「別に!」と強気の態度を崩さなかったことも明かす。

 そんな冨永の返しに「100点」と喜ぶ木村。さらに、語学力もない中で単身で渡米し、17歳でNYコレクション、18歳でパリコレへとキャリアを築いていった冨永に「サバイバル!」「“なんとかなるっしょ”って強ぇーな!」と、その行動力と肝の座りっぷりに感心しっぱなしだった。とはいえ、アジア人ゆえに差別を受けたこともあったそう。そんな周囲からの圧力にも「見てろよ」と負けん気で食らいついていった冨永だが、やはりふとしたタイミングで拭いきれない感情もあったそう。

 「たぶん木村さんも経験したことあると思うんですけど、やっぱりすごく忙しくしてると孤独になりますよね。孤独を非常に感じる」と当時を振り返る。そんな冨永の言葉に、木村はファーストソロコンサートのころに感じた思いを語り始める。ライブ中「どんなに苦しくてもつらくても、そういうことがあっても、絶対腐るなよ!」と観客に向かって声をかけていた木村。そのとき、ふと「あ、俺、人に言ってんじゃん」と思い返したのだそう。そして「人に言ったことを、言った人間がそうなったらダメじゃん」と。頭が「コンッ」と切り替わるタイミングがあったそうなのだ。

『グランメゾン東京』で木村拓哉に押されたスイッチ

 
 
 
 
 
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 このソロコンサートが開催されたのが、奇しくも冨永と共演を果たした2019年放送のドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の後だった。そして、このドラマは冨永にとっても自身の人生を振り返ったときに、欠かせない作品になっているという。一度、モデル業を引退し、テレビやラジオの出演、そして子育てに専念した後、再度モデルとしてランウェイを歩いてみようと決意したタイミングの冨永に、世界的に影響力を持つグルメ雑誌『マリ・クレール ダイニング』の編集長、リンダ・真知子・リシャール役のオファーがやってきたのだそう。

 このオファーも木村が「冨永愛さんとか聞いてもらっていいっすか?」と直々にプロデューサーに提案したことで実現したのだという。リンダに求められるのは、そこにいるだけでワールドワイドな雰囲気を醸し出せることだと考えていた木村。なかなかこの人だと思える人がキャスティングされない中で、冨永がドンピシャだったと話す。

 当時、冨永は芝居経験はあったものの、地上波ドラマへの出演はなかった。だからこそ、驚きと喜びがあったという。そして「初めて俳優が面白いと思った」とも。「やっぱり木村さんを筆頭に、キャストのみなさんも本当に素晴らしかったし、スタッフさんもふくめて、“あー、こういう作品の作り方があるんだな”って。こういう世界にもう1歩踏み込んでみたいなって思ったんですよ。グラメ(『グランメゾン東京』)をやって。それがあったから、じゃあモデルとしては……っていうふうになったんだと思うんです」と、新たなキャリア形成に向けたモチベーションに繋がっていったのだと明かす。

 「俺、(スイッチ)押しちゃった感じ?」と照れ笑いをする木村に、「そうですね、押されましたね(笑)」と返す冨永の空気感に、目指す場所は違えど、近いマインドで戦い続ける2人の絆のようなものを感じた。その後の冨永の活躍ぶりはご存知の通り。なかでも、今年1月にオンエアされた『大奥「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」』(NHK総合)での徳川吉宗役は大きな話題となった。実はその時期、木村が映画『レジェンド&バタフライ』で織田信長役を演じていたことから2人で“吉宗から信長へのLINE”というキャラクター設定で連絡を取り合っていたそう。ひょっとしたら時代が違えば武将として時代を動かしていた2人かもしれない、なんて微笑ましくなった。そんな2人が、今度は時代劇で一緒に作品を作りたいという話で盛り上がっていたのも、実に楽しみだ。

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