Def Tech、平成から令和へと愛され続ける2人のハーモニー 5都市を巡るワンマンツアー東京公演レポ

Def Tech、TDCホール公演レポ

 Def Techが全国5都市を巡るワンマンツアー『The Sound Waves Tour 2023』を開催した。

 2020年に結成20周年、デビュー15周年を迎えたDef Tech。平成から令和へと時を経た今も、彼らの音楽が多くのリスナーを惹きつけていることは間違いないだろう。筆者自身、改めてDef Techの魅力を再確認したライブでもあった。本稿では、9月28日に行われた東京・TOKYO DOME CITY HALL公演の模様をレポートする。

Def Tech

 「Jawaiian Time」が流れる中、バンドメンバー4人に続いてShenとMicroがステージに姿を見せる。ハワイアンミュージックとヒップホップを融合した「He'eia ~Jawaiian Mix~」でライブがスタートすると、会場が一気に南国の雰囲気に包まれた。海や浜辺を連想させるような穏やかなサウンド、2人の優しいハーモニーが心に沁みわたる。

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 ステージが一度暗転し、波音のSEに続けて「High on Life」のイントロが奏でられると、フロアからは大きな歓声があがった。Shenはウクレレ、Microはアコースティックギターを抱え、バンドメンバーとともに力強いアンサンブルを奏でていく。1曲ごとにシーンが切り替わるように、再び波音のSEを挟んだ後は「Catch The Wave」へ。ハンドマイクに戻った2人は、会場の誰1人も置いていくまいと伝えるように、それぞれのメインパートでステージを左右に行き来しながら歌を届けた。

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 序盤は比較的リラックスして聴ける曲が続いたが、ここからはダンサーを交えてのパフォーマンスへ。濃厚なアンサンブルで楽曲を聴かせるだけでなく、視覚的にも楽しませてくれるのがDef Techのライブの良いところだ。ダンサーが加わり、ステージに躍動感が生まれたところで、ShenとMicroは積極的に観客を巻き込んでいく。「Automatic」では「跳ぶぞー!」という掛け声にあわせて観客がジャンプし、レーザーのような照明が会場を彩った「Flow」ではタオル回しが発生。序盤とは違った魅せ方で会場を1つにしたブロックだった。

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 圧巻だったのは、再びバンドセットで届けられた「Deep Blue」。2005年リリースのアルバム『Lokahi Lani』に収録されている同曲は、2004年に起きたスマトラ島沖地震について歌ったものだ。日本でも2011年に東日本大震災が発生したことを受け、10年以上歌うのを控えてきたという。パーカッションのみで静かに始まった冒頭に対し、曲調が大きく変化する後半では、2人の咆哮のようなボーカルを合図にスモークが立ち込めて照明が激しく点滅。1曲の中でドラマを見せてくれた。歌唱後にMicroは今も世界で戦争や紛争が起こっていることに触れ、「すべての問題を解決できることを信じて、一緒に前に突き進んでください」と語った。

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