Def Tech、平成から令和へと愛され続ける2人のハーモニー 5都市を巡るワンマンツアー東京公演レポ

Def Tech、TDCホール公演レポ

Def Tech

 「もうちょっとだけいけますか?」とフロアへ呼びかけた後、「変わっていくものと変わらないもの、2つを大事にしながら」と告げた2人は、ステージ中央で向き合いアカペラで歌い出す。〈Def Tech sound Shen and Micro 'round singing on and on and on/地に足付け 頭雲抜け 進む前に前に前に〉――2005年にリリースされたDef Techのはじまりの歌であり、2020年に『THE FIRST TAKE』出演時の歌唱でも話題を集めた「My Way」。フロアからは拍手と大きな歓声が沸き起こった。さらに曲の後半、2人はステージから降りて1階バルコニーやアリーナ席を駆け回り、観客とハイタッチを交わしていく。リリースから15年以上、その間に変わったものも多くあるだろう。しかし、この曲が持つ“自分を信じて前に進む”というメッセージは、昔も今も変わらず多くの人の心に寄り添い続けている。

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 続けて「この世界中の闇に光を」と観客にスマホライトの点灯を促し、無数の灯りの中で届けられたのは「KONOMAMA」。「この曲も跳ぶぞ!」と2人は左右のお立ち台にそれぞれ上がり、観客にジャンプを煽る。勢いそのままに「Power in da Musiq」へと突入し、ダンサー4名とともにフロアの熱量を一段と高めて本編を締めくくった。

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 アンコールでは1曲目に「Pacific lsland Music」を届け、客席では再びタオル回しが発生。続いてスタンドマイクの前に立った2人は、9月15日に配信リリースされた新曲「Weakends」を伸びやかな歌声とともに届けた。

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 ラスト1曲となったところで、「Shenの歌詞がもっと皆の心に入ってくるように」と語ったMicroは、「Golden Age」の英詞部分の和訳を読み上げる。〈Make it real whatever you got, go ahead give it your best shot(自分らしさを現実にするために前進して最高なショットを残そう)〉――ここにすべては書かないので、続きはじっくり読み解いて彼らの音楽に向き合ってみてほしい。「My Way」もそうだが、Def Techの楽曲にはいつの時代にも響くであろう、人生においてのポジティブなメッセージが込められている。それを彼らは、ライブで真っ直ぐに届けてくれるのだ。「Golden Age」を歌いながら、2階・3階バルコニーにも手を振るShen、フロアのあちらこちらを指さすMicro。最後の最後まで、目の前の一人ひとりに優しくも力強い歌声を届ける姿が印象的だった。

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 唯一無二の音楽性、ライブでの魅せ方、楽曲のメッセージ性と、Def Techのさまざまな魅力を改めて感じられたライブだった。同時に伝わってきたのは、音楽が何かを変えられると彼らが信じていること。音楽があることで、私たちはいつもより少し前向きに生きられるかもしれない。もしかしたら世界で起きている問題も良い方へ向かうかもしれない。彼らの音楽や言動に希望を感じられるから、暗闇から光を求めるように、私たちはDef Techに惹かれ続けるのではないかと思う。

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