KREVA主催『908 FESTIVAL 2023』4年ぶり制限なし開催は“これぞ”な瞬間の連続 三浦大知、石川さゆりら豪華コラボステージも

『908 FESTIVAL 2023』レポ

 9月14日、東京・日本武道館にてKREVA主催の“音楽の祭り”、『908 FESTIVAL 2023』が開催された。

 2012年より恒例となっている『908 FESTIVAL』。コロナ禍のここ数年は制限が続いていたが、4年ぶりに有観客、有歓声の制限なしでの開催だ。

 まず一番手に登場したのは、この日の主役 KREVA。開演時間を迎えると、ステージ下から両手を高く上げながら堂々と登場し「クラフト」でライブはスタート。「やっと会えたな!」という声に大歓声と拍手が上がる。

三浦大知
三浦大知

 続けて、三浦大知を呼び込み「Fall in Love Again feat. 三浦大知」を披露。「みんなの愛を確かめてやろうぜ」と客席にマイクを掲げるとシンガロングが巻き起こる。コロナ禍での率直な思いを綴り、無観客、オンラインで行われた2020年の『908 FESTIVAL ONLINE 2020』で初披露されたこの曲が、約3年経ったこの日に“伏線回収”されたことを感じる。

AKLO
AKLO

 歌い終えた2人がステージを去ると、間髪入れずにAKLOが登場。真っ赤なライトに照らされてハードなラップを聴かせた「Dirty Work」で空気を一変させる。「せっかく来たからにはちゃんとぶちかましていきたいんで」と披露した「カマす Or Die」から「Count On Me」と巧みなフロウを聴かせる曲を続け、「百千万」ではコール&レスポンスで観客を巻き込んだ。

 続いての「RGTO feat. KREVA」では再びKREVAが登場。オートチューンのかかった高速ラップを披露し、さらには「うちのバンドと一発かましてもらってもいいですか」と、この日のハウスバンドを務めるKREBandの白根佳尚(Dr)、柿崎洋一郎(Key)、近田潔人(Gt)、大神田智彦(Ba)、熊井吾郎(MPC+DJ)、SONOMI(Cho)を従えた編成で「Catch Me if You Can feat. KREVA」。重心の低いヘヴィなグルーヴに乗せて2人のラップスキルを見せつけた。

石川さゆり
石川さゆり

 AKLOを見送ったKREVAが1人ステージに残り「なんかいろんな意味で寂しくなってきちゃったな。でも大丈夫、今年からはみんなが歌ってもいい年だから」という独り言のようなMCから「くればいいのに」を歌い始める。これまで数々のコラボレーションが行われてきたこの曲を歌うのは、石川さゆりだ。「この人を紹介できることを心から嬉しく思います!」とKREVAが呼び込むと、着物姿でステージ下からせり上がり登場した石川さゆりが、こぶしを効かせた歌を聴かせる。オリジナルの都々逸をアカペラで歌ったパートで一気に観客のハートを掴む。

 「世界中の困っている子供たちのために」という石川の思いから生まれ、今年5月に配信リリースされたチャリティソング「愛されるために君は生まれた (with KREVA)」を2人で歌い温かい空気を作り出すと、「これぞ石川さゆりっていうのをぶちかましてもらっていいですか?」(KREVA)、「やっちゃうか?」(石川)というやり取りからの「天城越え」。舞台にはスモークがたかれ、KREBandのパワフルな演奏をバックに満員の武道館を掌握する歌声を響かせる。歌手・石川さゆりの真髄を見せつけた。

KICK THE CAN CREW
KICK THE CAN CREW

 続いてはKICK THE CAN CREW。KREVA、LITTLE、MCUの3人が共にせり上がり、ライブは「千%」からスタート。続けて〈in the house〉のコール&レスポンスで会場を一つにした「住所」、鉄板のライムに息の合った掛け合いとエネルギッシュなステージパフォーマンスに銀テープが舞った「マルシェ」で盛り上げる。

 さらには「ライブで初めて歌う歌をやります」と、今年5月にリリースされた新曲「カメとピューマとフラミンゴ」も披露した。SDGsをテーマにNHK『みんなのうた~ひろがれ!いろとりどり』に書き下ろしたこの曲。「今日はスペシャルな『908 FESTIVAL』にしたかったんで、Eテレさんに映像を借りてきました」と、バックのLEDビジョンにはオリジナルアニメーションが映し出される。大団円のムードの中、3人がステージを去った。

 続くは久々の復活となった『908 FESTIVAL』の名物企画「ライミング予備校」。コント仕立てのパートで、教室のセットには白衣姿のKREVA、学生服に瓶底メガネの三浦大知、AKLOが揃う。さらには、近くのスナックのママ・さゆり役でステージに登場した着物姿の石川さゆりが「津軽海峡冬景色」を歌うという展開で観客の度肝を抜く。

 ここで披露されたのは、青森市ダンスプロジェクトからの依頼で制作され、今年6月に配信リリースされた新曲「ラッセーラ」。青森ねぶた祭のお囃子を用いた、“ねぶた×ラップ”の新曲だ。さらに、三浦大知と石川さゆりがステージを去り舞台が街中に転換すると、AKLOとMCUとLITTLEによるサイファーを展開。KREVAも加わり4人のラッパーがフリースタイルでスキルを見せつけた。

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