[Alexandros]、Dragon Ash、SUPER BEAVERら出演『RUSH BALL 2023』 25周年迎えるラインナップ&見どころを徹底解説

『RUSH BALL』今年の見どころ徹底解説

 2023年は音楽フェスの活況がみられる一年である。というのも、2020年以降、それまでのフェスシーンは新型コロナウイルスの感染状況に目配せしながら開催できるかどうかに悩まされた状況が続いていたし、仮に開催ができたとしてもさまざまな制約を敷いたうえで開催する必要があったからだ。しかし、2023年は声出しの解禁やマスク着用の個人判断など、その状況への大きな変化を受け、2020年以前に近い形で開催できるフェスが多くなっている。2023年はフェスの活況を実感できる年になりそうだ。そんななか、ずっと大阪の夏フェスを支えてきたのが『RUSH BALL』である。

 『RUSH BALL』は、毎年8月末に開催されており、関西のライブハウスシーンとの結びつきも強い。特徴としては、基本的に2ステージ制を採用しているところで、このフェスはメインステージと、「ATMC」と名づけられた若手バンドを中心としたタイムテーブルで構成されるサブステージのふたつでライブが展開されていく。このふたつのステージは原則時間被りがなく、理論上は全ステージを観ることができるタイムテーブルになっている。

 また、メインステージでは今のバンドシーンを支えるアーティストやキャリアを詰んだベテランアーティストなどがブッキングされており、サブステージでは今後のバンドシーンを担う若手アーティストのラインナップが目立つ。このように“若手バンドをフックアップする速さ”は、同規模のフェスのなかでは随一であるように感じる。実際、万単位の集客をするフェスで、初めてステージに立ったのは『RUSH BALL』であると公言しているバンドも多い。

 近年の『RUSH BALL』における大きなトピックとして挙げられるのは、コロナ禍の2020年、ほとんどすべての音楽フェスが中止を選択したなかで、数少ない「開催」を選択したことだろう。通常はオールスタンディングで開催されるこのフェスは、2020年はスタンディングエリアに柵を設け、ソーシャルディスタンスを徹底することで開催に踏み切ったのだった。たしかに、この年の空気には独特なものがあったが、そこには演者、スタッフ、参加者全員が「絶対に成功させよう」という強い気概をもってフェスを作り上げていた景色には印象深いものがあったし、この開催が結果的に大阪のライブシーン、そして全国のフェスシーンの盛り上がりにも繋がっていったのだ。

 『RUSH BALL』の魅力はいくつかあるが、個人的に挙げたいのは3つのポイントだ。ひとつは、広い空間で爆音を浴びながら自由に音楽が楽しめるところ。次に、ステージの時間被りが原則ないため、観たいバンドのライブをすべて観ることができるところ。そして3つ目は、そんな“お得”なフェスでありながら、チケット料金がこの規模のフェスにしては信じられないほど安く(今年は各日8,000円、小学生を対象にしたキッズチケットは3,000円)、学生なども参戦しやすいところである。

RUSH BALL 2022 DAY1 (short digest)
RUSH BALL 2022 DAY2 (short digest)

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