INI、Da-iCE、Superfly、須田景凪、@onefive……5月24日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は5月24日リリースのINI『DROP That』、Da-iCE『SCENE』、Superfly『Heat Wave』、須田景凪『Ghost Pop』、@onefive『Chance×Change』の5作品をピックアップした。(編集部)

INI『DROP That 』

 今回の4枚目のシングルのコンセプトトレーラーにおいて、INIは一人ずつ言葉を繋ぎながらこう宣誓している。「夢も、音楽も、まだまだ難しい。でも、一緒にいれば、浮かんでいた余計な考えは消え去り、僕を取り囲む現実が特別になる」「だからもう、心が導かれるままに」「僕たち、みんなで」。デビュー以降、怒涛の勢いで快進撃を続ける彼らだが、きっとまだまだ実現できていないこと、成し遂げたいことは尽きないのだろう。今作に収められた4曲には、ここからさらにギアを上げて次のステージへ向けて突き進もうとする11人の鮮烈な意志が込められている。4曲それぞれジャンルは異なるが、タイトル曲「FANFARE」を筆頭に、昂るエレキギターのリフや快活なロックサウンドを大胆にフィーチャーしたパワフルな曲が多く、特に次々とトランジションを繰り返していく多彩なヒップホップナンバー「DROP」が放つエネルギッシュな響きに圧倒される。そして特筆すべきは、メンバーの藤牧京介が作詞に参加した「Let's Escape」に込められたメッセージだ。上述した「僕たち、みんなで」という想いを、メンバー、そしてファンと共有する同曲は、今後の彼らのキャリアにおいて重要な1曲になっていく予感がする。(松本)

INI|'FANFARE' Official MV

Da-iCE『SCENE』

 前作『SiX』以来、2年4カ月ぶりのニューアルバム。収録された12曲のうち10曲の作詞や作曲にメンバー自身が参加し、アーティストとしてのスタイルや現在の方向性が強く打ち出されている。グローバルポップの潮流を捉えながら、J-POPの新たな在り方を示唆するダンストラック「Scene」、抒情性とエモーションを併せ持ったメロディとともに、日々を懸命に生きる人たちを肯定する言葉が広がる「ダンデライオン」、エキゾチックなトラックと新たな表現の地平を切り開く意思を込めたリリックがぶつかり合う「Pioneer」、ニュージャックスウィングの進化系と称すべき映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』主題歌「ハイボールブギ」など、ジャンルを自在に行き来しする楽曲が並ぶ。(森)

Da-iCE / 「ダンデライオン」Music Video

Superfly『Heat Wave』

 「Farewell」「Presence」「ダイナマイト」「Voice」などの既存曲を含む約3年4カ月ぶりのニューアルバム。収められているのは、コロナ禍以降の3年間で制作された楽曲だ。歌うこと、表現すること、伝えることの意味や意義と向き合い、少しずつ言葉をメロディを紡いできた越智志帆。本作には、その思索の過程がリアルに刻み込まれている。それを象徴しているのが、タイトル曲「Heat Wave」。高揚感に満ちたサウンドのなかで彼女は、〈恐れを知れ 脆さを知れ 厳しさを思い知れ〉というフレーズを叩きつけながら、力強く、解放的な歌声によってリスナーの生を肯定してみせる。ルーツ音楽に根ざしつつ、現代のポップミュージックに結びつけるアレンジも素晴らしい。(森)

Superfly 『Farewell』 Music Video

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