連載「lit!」第31回:JO1、Da-iCE、超特急……それぞれが個性を伸ばして輝いた、2022年のボーイズグループシーン
週ごとのテーマに基づいた作品をレコメンドする連載「lit!」。今週は、2022年のボーイズグループシーンを振り返る。2022年は個性豊かなボーイズグループがJ-POPシーンに爪痕を残してきた。国内外問わず挙げきれないほどのグループが輝きを見せていたが、今回はJO1、Da-iCE、超特急、原因は自分にある。、THE SUPER FRUIT、8LOOMの6グループの動きからシーンを振り返りたい。
2022年2月14日、11人揃っての活動を再開させたJO1。精力的に楽曲を発表し続けた1年だった。そんな中、5月25日に2ndアルバム『KIZUNA』をリリース。リード曲である「With Us」は爽やかなトラックにストレートな歌声が乗り、「どんな時も共に歩く」というメッセージが伝わってくる。歌唱面だけでなく、ラップも成長が見られ、グループ全体のスキルが底上げされていることがよくわかる一曲だ。オーディション番組を経て結成した彼らは、デビュー3年目を迎えてもなおメンバーやファンとの繋がりを大切にしており、「JO1らしさ」がわかるアルバムになっていたのではないだろうか。そんなJO1は念願かなって『第73回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場を決めた。まさにファンとの絆で勝ち取った『紅白』出場と言えそうだ。
もう1組、2022年末に特筆すべき実績を残したグループがいる。昨年「CITRUS」で『第63回 輝く!日本レコード大賞』で大賞を受賞したことをきっかけに、今まで以上に多くの注目を集めてきたDa-iCEである。彼らは、8月22日にリリースした配信シングル『イマ』のリード曲「スターマイン」で今年も『第64回日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞した。TikTokを中心に多く聴かれている同曲は、メンバーの工藤大輝が作詞作曲した楽曲。サビの〈一発じゃ足りないのかい / 二発目をおかわりしたい / 三度目の正直なんて無い / 四の五の言うなよ / ロクデモナイ〉という中毒性の高いフレーズと花村想太・大野雄大の高度な歌唱テクニックが光る一曲だ。楽曲そのものやプロモーション、ボーカル陣の歌い方などに様々な仕掛けがされており、狙うべくしてヒットした作品と言える。「SNSでバズる楽曲を作る」と言っても、簡単にできるものではない。それをやってのけたギミック含めて、2年連続の大賞受賞に期待したい。
さらに、2022年を振り返ると体制に大きな変化があったグループも。スターダストプロモーションに所属する俳優・タレントで結成されたEBiDANの一員である超特急だ。デビュー10周年を迎えた2022年、彼らは新メンバーオーディションを開始。8月8日に行われた『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』追加公演で新メンバーのシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルの加入を発表し、9人体制となったのである。その後、10月12日には9人体制初のシングル「宇宙ドライブ」をリリースした。目まぐるしく変化する展開、「無重力状態ですし組体操」をするという全力でふざけたMVと、体制が変化しても失われない超特急らしさが全開である一方で、新メンバーのシューヤの歌声を中心に楽曲においても、パフォーマンスにおいても幅を広げ、グループとしての可能性を示すこととなった。