365日後のデビューを懸けて競うオーディション『WARPs DIG』とは? 次世代ボーイズグループを創出する独自のメソッド

オーディション『WARPs DIG』とは?

 次世代の精鋭集団『WARPs ROOTS』を知っているだろうか? その存在を知る人はまだ多くない。

 “ボーイズグループ戦国時代”という言葉に聞き馴染みを覚えるほど、オーディション番組を経た個性豊かな新人グループが台頭する近年。グループとしての人気のみならず、歌、ダンス、ラップ、作詞作曲や振付などメンバーの長所や特技を活かした主体的な制作活動も昨今の特徴と言えるだろう。そんな中、今注目すべきなのが、オーディションドキュメンタリー『WARPs DIG』だ。「WARPs」とは、Wind Assemble Radical People-Syndicate(革新的な風を創造できる集団)=『WARP-Syndicate』の略。固定のグループだけではなく様々なプロジェクトを分野横断で組み合わせることで、既存のカテゴリーや枠組みを超えて才能が輝く新たな世界や価値観を作り出すことを目的としている。『WARPs DIG』には次世代の才能のトレーニング機関『WARPs ROOTS』のメンバーが参加。『創造営2021』に参加し、INTO1として活動するSANTAやRIKIMARUを含めた4人のメンバーで構成される日中混合グループ・WARPs UPは「WARPs」の第一弾アーティストだ。

【HIGHLIGHTS】Season 1-2 DIGEST|WARPs DIG

 今回のプロジェクトはトップダウンの決められた筋書きに従うのではなく、参加者自らがチームを編成や審査まで行う。その光景は、“与えられた課題に取り組み、プロがそれを審査する”という従来のオーディションスタイルから考えると極めて新鮮に映るのではないだろうか。

 1年を3カ月ごとに分けた4シーズンの中でさまざまなテーマに沿った審査が行われ、365日後に1つの選抜チームが結成されるこの番組。審査形式は主に3人1組のチーム戦で、12人がRED・BLUE・YELLOW・GREENの4チームに分かれて行う、ラップやダンスを中心とし3on3のトーナメント形式だ。特にダンスにプロの手はほぼ加わらず、振付から構成まで全て自分たちで作り上げていく「自己プロデュース色」の強さに驚かされる。

 もちろんオーディションの進行役はいるが、結果を決めるのは参加者自身の1票。この場合、どうしても審査に情が入ってしまうのではないかと思うかもしれないが、筆者がハッとさせられたのは、シーズン2の「Behind The Scenes」で審査を務めたある参加者の口から語られた「スキルももちろんだが、世に出る時にどれだけアピールできるか。主にエンタメ性を見ている」という言葉。それぞれが多様な経歴を持つ『WARPs DIG』メンバーは、長年にわたって夢を追いかけてきた者や、浜崎あゆみ・三浦大知など有名アーティストのバックダンサーをしていた者、韓国事務所の元練習生や人気オーディション番組参加経験者、中にはカポエイラの世界チャンピオンもおり、とにかく粒揃い。個性豊かな面々が容赦なくぶつかり合う光景は見ている側をも本気にさせる熱さを包含している。そのように一人ひとりの経験値があるからこそ、これまで培ってきた「見る目」も並大抵のものではないのだろう。主体性を重んじた自由度の高い環境において、自分のスキルやレベルを向上させながら友人同士としても高め合い、良きライバルとなった彼らのパフォーマンスには、容赦なく本気でぶつかり合うことへの迷いがなく、悔しさを感じるほど昨日よりも今日、今日よりも明日、と大きく成長していくように感じる。

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