『アイドリッシュセブン』が迎えた一度しかない“7周年” 日々の生活を彩ってくれたアイドルたちに向けて
『アイナナ』という作品は、いつも見えない絆と約束で愛し愛されてきたように思う。
私たちはIDOLiSH7のマネージャーとなり、彼らを育成する立場にある。だが、月日を経て作品が充実していくと、IDOLiSH7だけでなくTRIGGER、Re:vale、ŹOOĻの魅力もますます洗練され輝き、純粋にアイドルとしての人気が高まっていった。“IDOLiSH7のマネージャー”とは違う愛し方をするファンも多くおり、皆が皆、同じ方向を見ているわけではないところも、この作品の魅力である。
しかし、見ている方向が違っていても、『アイナナ』を愛する者としてどこか連帯感を感じさせるのは、やはり音楽によってアイドルたちの物語とファンの心が繋がってきたからだろう。
それを象徴するのがライブだ。2018年に行われた1st LIVE『Road to Infinity』、2019年の2nd LIVE『REUNION』と大型ライブが開催されるたび、音楽の力とパフォーマンス力、秀逸な演出で会場を一つにしてきた。
昨年のTRIGGERの配信ライブ、今年1月に行われたIDOLiSH7の単独ライブと、グループの個性にフォーカスしたライブでも同じようなことが起きており、『アイナナ』のライブが持つパワー、一体感は底知れないものがあることを証明してみせた。Re:valeの単独ライブも10月に予定されており、この流れは続いていくだろう。
一方で、高クオリティなMVやCGライブといった、3次元でのライブ以外でアイドルたちが踊って歌う姿をリアルに体感する機会も多く提供されてきた。ストーリーに沿った楽曲、各グループのアルバムなど、様々な作品がリリースされるのと同様に、視覚でもアイドルたちの存在をリアルに感じることができたのである。
さらに、企業タイアップや様々なコラボなどを通して、彼らを身近に感じることもできた。『アイナナ』が日々の生活に寄り添ったものとなり、一時の熱狂ではなく、ファンにとってなくてはならないものに変化したことも、7年という月日を紡いでこられた要因の一つだろう。
こういった身近さは、他人の思いを想像する力を育む。音楽からメッセージを受け取り、アイドルたちの言葉からその想いを最大限に汲み取ろうと努力する。そうした心のあたたかさが、一つの作品を愛する人たちに共通して流れているものではないだろうか。
『アイナナ』はこの7年、音楽と物語によって、仲間の力・アイドルとファンの絆の力を常に示し続けてきた。何かを、誰かを大切に思う気持ちは大きな力を持っているーー作り手もファンも、お互いに与え合ってきた思いだろう。何かと分断が取り沙汰される今だからこそ、たくさんの愛と絆によって7周年を迎えた『アイナナ』に希望の光を見出せずにはいられない。
10月から始まるアニメ3期の第2クール、ゲーム本編の続きはもちろん、一人ひとりが今後はどのように変化を遂げてゆくのだろうか。この先どんなサプライズが用意されているのか、どんな新しい音楽が生まれるのか。まだまだ楽しみは尽きない。