IDOLiSH7は小さな幸せを呼び起こすアイドルだ 新シングル『THE POLiCY』に映し出された、寄り添う7人の姿 

 アイドルグループ・IDOLiSH7のニューシングル『THE POLiCY』が8月4日にリリースとなった。前作『DiSCOVER THE FUTURE』から約1年ぶりとなるファン待望の一枚で、今回もIDOLiSH7の新しい表情を映し出した異なるテイストの2曲が収録されている。

 ファンの間でも話題になったのが、カップリング曲の「NAGISA Night Temperature」だ。ラテンのリズムを取り入れた2000年代を彷彿とさせるポップサウンドに、明るい7人の声が軽快に乗る夏の恋を歌った一曲である。

IDOLiSH7 – 「NAGISA Night Temperature」

 彼らはこれまで、いわゆるアイドルらしいラブソングを歌ってこなかった稀有なグループだ。「ハツコイリズム」という名曲はあるものの、アイドルが演じる恋物語としての側面は少し薄かった。

 だが、今回の「NAGISA Night Temperature」は一味違う。IDOLiSH7らしいフレッシュさ・愛らしさはそのままに、夏特有の胸がキュンとする切ないシーンが鮮明に描かれている。若い世代はそのリアルさに胸をときめかせ、大人なら遠い夏を思い出してしまうかもしれない。まるでピュアでノスタルジックな少女漫画を読んでいるような気持ちにさせてくれるアイドルソングなのである。

 センターの七瀬陸から発せられるIDOLiSH7の純粋で元気なイメージにぴったりなこの曲が、ステージではどのように披露されるのか……想像するだけで嬉しくなってしまうのは筆者だけではないだろう。ラブソングは、ステージで観客を恋に落とすアイドルにとって王道の武器だ。そんな新たな武器を増やした彼らが、この先どんな恋を歌っていくのか、その未来にさらなる期待をしてしまう。

 そんなフィクション的なラブソングとは真逆な方向性で、彼らの真髄を歌ったのが表題曲の「THE POLiCY」。その名の通り、IDOLiSH7というアイドルグループの在り方を掲げたアンセムだ。これまでポジティブな幸福感で観客を癒し励ましてきた彼らだが、そこからさらに一歩踏み込み、他者の心に寄り添うことを誓っている。

IDOLiSH7 -「THE POLiCY」

 辛さを感じたときに、アイドルの笑顔に励まされる人は多い。だが、もう一段階深い苦しみや孤独と戦う人にとって笑顔や前向きさだけでは、立ち上がれないこともあるかもしれない。IDOLiSH7はそんな人も取りこぼさず、〈燃えながらみんなで 明日を見に行こう〉と歌い上げる。

 〈寄り掛かるの苦手なの分かる なら並んでいてよ Dear〉〈抱え込むモノごと 飛び込んでおいで〉〈諦め顔で見送れるものに入ってないんだ キミという 7‘S treasure〉と、どこまでもまっすぐに、コミュニケーションを諦めない優しく熱い歌詞が続く。シンセを多用したスタイリッシュなサウンドに、暗闇の中の光を感じさせるエモーショナルなメロディが調和し、深く感情が揺さぶられる一曲である。



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