MEZZO"、正反対の2人から“かけがえのない2人”へ 『Intermezzo』に刻まれた足跡を辿る
IDOLiSH7、TRIGGER、Re:vale、そしてŹOOĻーー各アイドルグループのアルバムがこれまで順に発表されてきたが、10月20日、ついにMEZZO"の1stアルバム『Intermezzo』がリリースされた。MEZZO"は、IDOLiSH7にも所属している四葉環(CV:KENN)と逢坂壮五(CV:阿部敦)からなるユニット。ダイナミックで自由奔放な環と、端正で物腰柔らかな壮五という、真逆の2人の凸凹感が魅力の一つだ。
アルバム1曲目は、新曲「未来絵」からスタート。きらめくようなイントロがワクワク感を掻き立てる、まさにアルバムのオープニングを飾るにふさわしい爽やかな曲だ。特に〈飛び立てる僕ら drawing/変えていけるのは君だから〉とデュエットするパートは、2人の絆を感じられ嬉しくなる。なお、【初回限定盤A】には環の、【初回限定盤B】には壮五のソロバージョンがそれぞれ収録されているのも注目だ。
IDOLiSH7より先にデビューしたMEZZO"のデビュー曲「miss you...」はアルバム2曲目に収録。世に送り出されたこの“はじまりの曲”は、切ない恋心を歌い上げたラブソングだ。続く3曲目の「雨」も、ドラマチックで胸を打つラブバラード。TVアニメ『アイドリッシュセブン』12話の特別EDとして使われた曲でもあり、2人が雨に打たれる映像の演出とも相まって、印象に残る曲となった。
デビュー曲の「miss you...」に始まり、「恋のかけら」「月明かりイルミネイト」「雨」とラブソングを多く歌ってきたMEZZO"だが、もちろん彼らは甘く切ないだけではない。IDOLiSH7・TRIGGER・Re:vale・ŹOOĻが総出演した『妖万華鏡 空虚咎送り』の主題歌「カレイドスコープ」では、エレクトリックでエキゾチックな要素を持つ疾走感あるMEZZO"の一面もしっかりと見せてくれる。
さらに、アルバムに収録されているもう一つの新曲「Tears Over ~この星の君と~」は、今までにないメロウで大人な雰囲気の楽曲。情感たっぷりに歌い上げる歌唱で2人の歌声をよりじっくりと味わうことができ、サビのゆったりしたグルーヴ感には身を委ねたくなる心地よさがある。目を閉じて浸りたくなる世界観だ。
活動を続ける中で徐々に音楽表現の幅を広げてきた今のMEZZO"には、「もうなんでも歌える」という頼もしさが感じられる。アルバムの終盤、9曲目には「Dear Butterfly」、ラストの10曲目には「Forever Note」が収録されている。
明るい曲調の中〈Maybe Maybe 今伝えようよ/好きなモノを好きだよって〉と歌う「Dear Butterfly」は、“大切なものを大切にする”という、ありきたりだがかけがえのないことに気づいた喜びを描いたナンバーだ。
そして「Forever Note」は、壮五が初めて作曲に挑戦した楽曲。〈憧れはいつからか 夢へと姿を変え/追いかけるように 手を伸ばして/扉を開いた〉という意志のこもった詞を、力強いロックサウンドに乗せて歌い上げる。「雨」の次にリリースされたこの曲は、“MEZZO”といえばラブソング”という当時の世間のイメージを覆すものとなった。環ももちろんだが、繊細なイメージの強かった壮五がこの曲で見せたアグレッシブなパフォーマンスに驚かされた人も多いのではないだろうか。
好きなものを表明する「Dear Butterfly」から、それをさらに形にしようとする「Forever Note」へ。そこにはMEZZO"の確かな変遷と成長があり、この2曲がアルバムの最後を締め括る9、10曲目に収録されていることが、これからの活躍の道筋を示唆しているようでもある。