櫻坂46、ライブへ向かう飽くなき姿勢 パフォーマンス力に磨きをかける3つの要素

 櫻坂46と日向坂46による合同イベント『W-KEYAKI FES. 2022』が7月21日から24日まで山梨・富士急ハイランド コニファーフォレストにて開催される。このイベントは櫻坂46(元欅坂46)と日向坂46(元けやき坂46)という同じ名前をルーツにもつ2つのグループが一堂に会する年に一度のスペシャルライブ。昨年行われた第1回では、両グループが交互にステージに登場してそれぞれの持ち曲を披露し、最後は全員で歌唱するなど、この日しか味わえない特別な構成が楽しめた。櫻坂46は先日、渡邉理佐の卒業コンサートを行っているためライブの話題が続いている。そこで櫻坂46のライブ力〜パフォーマンス力に注目してみたい。

欅坂46時代から受け継ぐダンスへの高い意識

 櫻坂46は欅坂46時代からメッセージ性の強い楽曲を歌い続けており、高難易度のダンスが特徴。そのためライブパフォーマンスに力が入っている。「めっちゃ何回も見直します。魅せるパフォーマンスにするためにも動きを揃えたい」とはダンスに対するメンバーの守屋麗奈の言葉(※)。グループが必要とするダンススキルと、それに対するメンバーたちの意識の高さがうかがえる。

「元々、自分がファンで欅坂のライブを見させていただいた時に、縦と横の列がビシッと揃っていて、全員がダイナミックでシンクロしている踊りに感動したので、自分もその域に近付きたいなと思って、イメージを重ねながら動画を見返しては課題を見つけていくーーっていう」(守屋談 ※)

 このように欅坂46時代のライブに向かう姿勢が今の櫻坂46にも受け継がれ、パフォーマンス面での土台となっているようだ。ライブではダンスパートやソロダンスが披露されることもしばしば。世界的ダンサーのTAKAHIROがライブの総合振付やステージングを手掛けることの多い彼女たちのアイドルの枠を飛び越えたパフォーマンスは、一見の価値ありである。

メンバーに根付く強い責任感

 またセンターによって見え方が変わるという意識が深く共有されているのも櫻坂46の特徴である。

 櫻坂46はフォーメーションの3列目のメンバーを“BACKS”と呼び、BACKSメンバーのみが出演する『BACKS LIVE!!』をこれまでに2度開催している。そこではオリジナルの立ち位置とは違ったポジションで楽曲を披露する。例えば「流れ弾」の本来のセンターは田村保乃だが、先日のライブでは小池美波と大沼晶保の2人がセンターに挑戦した。そのパフォーマンスを田村も鑑賞している。

「お2人はそういう見せ方をするんだな、と思いました。メンバーによって、楽曲の捉え方とか向き合い方って違ってきますし(中略)“私には、私の『流れ弾』がある”っていう風に思うようにしていました」(田村談 ※)

 楽曲の見せ方は人によってさまざま。オリジナルとは違った解釈と見せ方にトライし、それをメンバー同士が実際に見て、刺激を受けるという流れができているのだ。

「同じダンスでも、メンバーそれぞれの踊り方があって。(中略)自分次第で表現そのものが変化してしまったりもするので、そこは責任を持ってやらないとなって思います」(森田ひかる談 ※)

 このように自身のパフォーマンスによって楽曲の見え方が変わってくることについて、それぞれが強い責任感を持っている。こうした意識が高いパフォーマンス力を生む秘訣となっているのだと思う。

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