Panorama Panama Town、同世代のバンドと繰り広げた熱狂のステージ 3年ぶり開催『PANA FES 2022』関東公演
4月16日、Yokohama Bay HallにてPanorama Panama Town(以下、PPT)主催のイベント『PANA FES 2022』が行われた。
3年ぶりの開催となる『PANA FES』。初の関東公演は、世代が近く共演経験などもある全6バンドが集まった。
開場時間からフロアを温めたオープニングDJ=DJ Sick Boyが、PPTの「Melody Lane」で締めくくると、ステージにはPPTの3人が登場して開会宣言をする。その紹介で登場したトップバッター Benthamは、リズム隊が奏でる重低音とオゼキタツヤ(Vo/Gt)のハイトーンボーカルによって、強さと爽やかさを感じさせるステージを披露。The Songbardsはふくよかで温かみのある松原有志(Gt/Vo)のギターの音色と、上野皓平(Vo/Gt)の穏やかな歌声で、この季節にぴったりな「春の香りに包まれて」などを演奏した。鋭児は妖しく揺らめくサウンドに、ときに鋭く淡々と言葉を乗せ、激しくも有機的なグルーヴで訴えかけるようなステージを見せる。Helsinki Lambda Clubはポップかつ毒のある歌詞の「しゃれこうべ しゃれこうべ」など、キャッチーかつ力強い演奏とセンスで魅了した。PELICAN FANCLUBは、同期のサウンドと浮遊感のあるボーカルが存在感のある「儀式東京」をはじめ、どっしりとしたドラムとベースが牽引するライブでオーディエンスを熱く盛り上げた。
そんな5組の後に登場したPPTは、岩渕想太(Vo/Gt)の激しいギターストロークで、「MOMO」からライブをスタート。畳みかけるようなドラムとともに力を増す岩渕のボーカルで序盤から盛り上げる。シンプルかつ迫力のある「100yen coffee」に続き、自在な展開でアグレッシブに攻める「Algorithm」までノンストップで繰り広げられる。ゆったりしたファンク調のイントロを演奏する傍ら「みんないい日でしたでしょうか? 次は知らない人のために自己紹介の曲を」と「パノラマパナマタウンのテーマ」へ。岩渕が軽やかにリリックを紡ぎ、オーディエンスも力を抜きながら音に身を任せる。パワーがあるイントロから畳みかけるボーカルで「ロールプレイング」を披露し再び会場を沸き立たせると、ギターリフやBメロなどフレーズの繰り返しが癖になる「King’s Eyes」へ。浪越康平(Gt)によるギターの音色が幻想的な「Strange Days」では、共に前に進むと言わんばかりのパワフルさを発揮するとともに、この日を祝福するような一体感と熱狂を見せた。ここまでも勢いのあるステージだったが、岩渕が「ありがとう横浜!」と叫んだことを皮切りに、さらにバンドは一皮むけたような勢いで「SO YOUNG」を披露。感情が前に出た吹っ切れたような歌声と、タノアキヒコ(Ba)の突き上げるベースの低音が清々しい迫力を醸し出した。
「ずっとかっこいいバンドが出ててめっちゃいい日だったね。神戸(公演)より良いものにしようっていう思いがあったのですげえ嬉しいです」と岩渕。「もう餓鬼の踊りみたいな曲しか残ってないです」と宣言すると、歪んだ音色のギターをかき鳴らし「Rodeo」へ。拳を上げるオーディエンスに突っ込んでいかんばかりの勢いでタノが前のめりで演奏する。そしてクールな歌い回しから徐々に演奏が熱を増す「Faceless」で本編は幕を閉じた。