Panorama Panama Town、同世代のバンドと繰り広げた熱狂のステージ 3年ぶり開催『PANA FES 2022』関東公演

『PANA FES 2022』関東公演レポ

 アンコールでは、共演者の楽曲を演奏するコラボセッションを披露し、親密で熱いステージを作り上げた。PELICAN FANCLUBのエンドウアンリ(Vo/Gt)を呼び寄せると、「俳句」をコラボ。歌詞の端々まで感情を行き渡らせるエンドウの歌い方に呼応するように、PPTもパワフルな演奏を披露した。Helsinki Lambda Clubの橋本薫(Vo/Gt)と演奏したのは「Good News Is Bad News」。岩渕と橋本のファルセットが力強く響く。続いて鋭児の御厨響一(Vo)とコラボする予定だったというが、丁寧な挨拶とともに「帰られてしまった」と話すと、本人不在で「$uper $onic」のカバーを披露。岩渕による激しくワイルドな歌唱で圧倒した。The Songbardsの上野皓平が登場すると、爽やかなメロディとリズミックな演奏で「太陽の憂鬱」を披露。最後のコラボにはBenthamのオゼキが登場し、「パブリック」を演奏した。まっすぐな高音が響くオゼキの歌声と、岩渕の柔らかい歌声。異なる声質を持つ2人のハーモニーを、オゼキのパワフルな振舞いがさらに盛り上げ、フロアを沸かせた。

 再びPPTだけのステージになると、「今日集まってくれたみなさん、良い趣味してんね」と言って、最後の曲「いい趣味してるね」へ。唐突にテンポを落とし〈君の腐っちまった感性を残せ〉と繰り返す部分の途中、はたと演奏する手を止めると、4月14日に誕生日を迎えたタノを祝う。突然の展開に驚くタノに構わずすぐに曲に戻ると、怒涛の勢いで締めくくった。

 異なる個性を持ちながらも、通じ合うスタンスを持つ6組が一堂に会した『PANA FES 2022』。和気あいあいとした雰囲気が漂いながらも、それぞれの音楽を実直にぶつけた、熱い公演となった。

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