NCT テヨン、aespa ジゼルらSMエンタコラボ「ZOO」バイラルチャート好調 ラッパー5人によるストイックなパフォーマンス
このような同事務所間のグループをまたいだ別ユニットという手法は、日本でもすでに成功例があり、1990年代後半~2000年代前半に、数々のグループでヒットを連発したハロー!プロジェクトのシャッフルユニットがそれに当たるだろう。それから20年以上。その間に、音楽やエンターテインメントを届けるインフラが大きく変わった。インターネットが大きく成長したのである。音楽だけに限らず、エンターテインメント番組そのものが、インターネットを介して世界中に配信されている。このインフラを効果的に使い、グローバルな視点でエンターテインメントを仕掛けてくるのは当然と言えば当然と言えるが、そこに付随してメンバーの語学力、歌やダンス以外のスペックも、これまで以上に重要視されるようになってきたように思う。
今週4位にランクインした「ZOO」についてもまた然り。ユニットの中心人物であるテヨンが振り付けを担当した他、テヨン、ジェノ、ジゼルが作詞に加わっている。2022年1月14日にYouTubeでパフォーマンス動画が公開されたが、公開から約10日経った1月下旬現在、まもなく再生数は1億回を超えようとしている。テヨン、ジェノ、ヘンドリー、ヤンヤン、ジゼルという5人のラッパーによる「ZOO」は、ドープなリズムが特徴のゴリゴリなヒップホップナンバー。低音のバーストの仕方や、後半の畳み掛けるようなリズムパターン、一部のラップアプローチにはレゲトンの風味もあるが、そこにゆるさはなく、どこまでもストイックでクール。肢体の滑らかさや関節の柔らかさで魅せるのではなく、身体のバネを使いバウンドするような迫力で魅せる力強いダンスも、楽曲にドンピシャで合っている。5人それぞれが個性的なラップを披露しながら、息の合ったパフォーマンスを披露しているところが見どころであり、そんな彼らのパフォーマンスがしっかり想像できる楽曲に仕上がっている。
最後に。最近改めて思うのは、韓国語のリズム感はヒップホップと非常に相性がいいということ。途中で英語が出てきても、ビート感が変わらない。この“韓国語が持つリズム感”は、グローバルな市場を持つK-POPを聴く上で重要なファクターになっているのだと思う。