「Girls On Top」やリマスタープロジェクトもスタート SMエンターテインメント所属グループに受け継がれるイズム

 各K-POPグループの個性やコンセプトに注目されることは多いものの、それを形成する過程で所属する芸能事務所のカラーが意識されていることは未だ少ない。そんな中、韓国の大手芸能事務所の1つであるSMエンターテインメントで引き継がれるDNAは目を引く存在だ。H.O.T.やS.E.S.といったK-POP第1世代から、NCT 127やaespaといった若手まで、長きに渡ってヒットグループを生み出し続けているSMエンターテインメント。最近では、“KWANGYA”をはじめとする特殊な世界観で注目されるほか、縦の繋がりを感じさせるようなプロジェクトを続々と発信するなど、SMイズムの確立が急加速している。

 SMエンターテインメントは1月1日、ファミリーオンラインコンサート『SMTOWN LIVE 2022 : SMCU EXPRESS@KWANGYA』を開催してた。同公演は、所属アーティストのパフォーマンスやコラボステージが展開され、様々な配信プラットフォームから無料で視聴できたスペシャル公演だ。中でも、昨年末からアナウンスされていた新プロジェクト「Girls On Top」の第一弾ユニットであるGOT the beatのデビューステージには、多くの注目が集まっていた。メンバーは、BoA、少女時代のテヨンとヒョヨン、Red Velvetのスルギとウェンディ、aespaのカリナとウィンターという豪華な7名で、大々的なガールクラッシュプロジェクトとも言える。GOT the beatはグループ名の通り、デビュー曲「Step Back」で著しいカリスマ性を見せつけた。「Step Back」は、「Girls On Top」を通じて描きたい女性像を、7人のメンバーが男性を巡って対立することで表現した一曲。現代的ながらも、厳かな雰囲気という印象も受ける同楽曲。その緊張を解くような鋭いハイトーンボイスも、各メンバーがそつなくこなすなど、全体的なスキルの高さも大いにアピールした。GOT the beatはK-POP界のアベンジャーズ・SuperMの女性版とも呼ばれている。2019年にデビューしたSuperMは、同じくSMエンターテインメントに所属するSHINee、EXO、NCT 127、WayVといった男性グループのメンバーから選抜されたユニット。欧米進出を見据えたグローバル志向の高い曲で話題となったことから、「Girls On Top」の今後の方向性にも注目したいところだ。

GOT the beat 'Step Back' Stage Video

 『SMTOWN LIVE 2022』でその他に反響が大きかったのは、男女混合でのパフォーマンスとなった「ZOO」だろう。同公演に先立ちリリースされたアルバム『2021 Winter SMTOWN: SMCU EXPRESS』に収録されている楽曲で、NCT 127・テヨン、NCT DREAM・ジェノ、WayV・ヤンヤン、ヘンドリー、aespa・ジゼルが参加した。ラップをメインに、ヘッドセットで激しいダンスパフォーマンスで魅了した。

TAEYONG, JENO, HENDERY, YANGYANG, GISELLE 'ZOO' Stage Video

 また、昨年12月からは、SMエンターテインメントの歴史を感じさせる「リマスタープロジェクト」もスタートした。SMエンターテインメントとYouTubeが手を組んだ同プロジェクトでは、aespaがS.E.S.の「Dreams Come True」をリメイク。このプロデュースには、BoAが携わったことでも大きな反響があり、長年名曲を出し続けているSMエンターテインメントだからこそできる取り組みだとも言えるだろう。

[STATION] aespa 에스파 'Dreams Come True' MV

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