SixTONES「うやむや」がファン以外からも評価される理由 “ボカロ的要素”を取り入れ、シーンの発展感じさせる1曲に
SixTONESの1stアルバム『1ST』が、初週46.7万枚を売り上げ、1月18日付けのオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得した。ロック、ヒップホップ、R&Bなど、あらゆるジャンルの楽曲を取りそろえたこのアルバムの中で、特に注目を集めているのが、通常盤に収録された「うやむや」だ。アルバム発売の翌日1月7日にはMVも公開されたが、何も知らずに動画を見た人は、これがSixTONESの曲だと知れば驚くのではないだろうか。なぜなら「うやむや」は、全編アニメーションMVのいわば“ボカロ的”な楽曲だったからだ。
ダンスパフォーマンスで魅せるグループであるSixTONESが、この曲調で、しかも顔出しなしのアニメMVを採用したこと自体にまず驚かされる。
事前に公開されていたアルバムのダイジェスト映像や、メンバーによる全曲解説動画のなかでも、この「うやむや」だけは音源もほとんど流れず、文字通り“うやむや”にされ、アルバムリリースまでその全貌が秘される“隠し玉”的な1曲として仕込まれていた。
そして、「うやむや」がアルバムの発売とMVの公開でベールを脱ぐと、見事にリスナーの度肝を抜き、MVは公開から1週間足らずで420万再生を突破。動画のコメント欄やSNSには「SixTONESの曲と知って驚いた」「今までSixTONESに関心がなかったのにこの曲で興味を持った」という意見があふれた。
SixTONESはじめジャニーズは音楽シーンの中で確固たる立ち位置を獲得している。だが、確立されすぎているがゆえに、時にファン以外からはその楽曲や活動に踏み込んでもらいにくいという側面もある。その壁を「うやむや」は乗り越え、一気に一般層にリーチすることに成功したのだ。