SixTONES、圧倒的な成績でチャートトップに アルバム『1ST』の聴きどころはシングル曲以外にも

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2020-12-21/

SixTONES
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 2021年1月18日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはSixTONES『1ST』で推定売上枚数467,238枚。続く2位YOASOBI『THE BOOK』も初登場で72,238枚を売り上げて大健闘したが、やはりジャニーズ事務所の新鋭が圧倒的な成績を見せた。デジタルダウンロードやストリーミングを含めた合算アルバムランキングではその差もやや縮まる(SixTONESが467,238ポイント、YOASOBIが89,616ポイント)が、それでもやはり強い。以下、トップ10内の初登場をピックアップしていくと、4位にSPYAIR『轍~Wadachi~』(9,815枚)、5位にGReeeeN『ボクたちの電光石火』(9,629枚)、6位にsumika『本音/Late Show』(9,509枚)、9位に宇野実彩子(AAA)『Sweet Hug』(5,662枚)となる。ロングセラーとなっている米津玄師『STRAY SHEEP』(2020年8月5日発売)が年末から年始にかけてふたたびトップ10圏内に浮上しているのも気になるところだ。ちなみに合算ランキングでは初登場以来ほぼ安定してトップ10圏内を推移し、ここ3週間ほどはぐっと順位を上げている。『BOOTLEG』と同じく、もしかするともっと息の長い作品になるかもしれない。

 さて、今回注目したいのはSixTONES『1ST』。ファーストアルバムで46万枚超というのは、ジャニーズ事務所のグループに関して言えばKing & Princeに次ぐ記録だ。のみならず、「オリコン年間ランキング2020」でも2部門で1位を獲得する勢いを見せている。CDデビューは2020年1月。同時デビューのSnow Manと共に注目を集め、2020年末の『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出場した。ライブ配信や長時間にわたる新曲解禁企画など、YouTubeを積極的に活用したプロモーションはジャニーズ事務所のグループとしては現代的で、事務所としての力の入りようがわかる。とはいえ、ダウンロード販売や、SpotifyやApple Musicといったサブスクへの進出には相変わらず二の足を踏んでいるのがややちぐはぐなのだが。いじわるな見方をすると、2020年12月6日に行われたアルバム楽曲の「“ほぼ”全曲解禁」を謳った配信企画、「SixTONES broadcaST『666 1ST LiSTening』~アルバム“ほぼ”全曲解禁します~」も、楽曲の配信はしたくないが現代的なプロモーションを試みたい、という苦肉の策のように思えてしまう。

 とまあ、リリースやグループ周辺のあれこれはともかくとして、今回リリースとなった『1ST』はクオリティの高いサウンドとパフォーマンスが詰まった良い作品だ。X JAPANのYOSHIKIが書き下ろしたデビュー曲「Imitation Rain」やサードシングル曲の「NEW ERA」の印象もあり、ギターをフィーチャーしたロック寄りのサウンドが多くなるのかと思っていたけれど、ダウンテンポ~ミッドテンポなバラードやダンスナンバーに佳曲が多い。というのはプロダクションの傾向もさることながら、音源を聴く限り、当人たちのパフォーマンスもそちらのほうに適性があるのでは? と思うのだ。たとえばゴスペルフィーリングのピアノをフィーチャーした「Coffee & Cream」は、オートチューンをバキバキにかけた歌唱の向こうに、力みすぎない声の艶やビートに乗りこなすフロウの淀みなさが感じられてお気に入りの一曲。歌番組なんかで映えるのはやはりロック調だったりちょっとオラついたようなアグレッシブなビートかもしれないが、こうした親密さのなかにスキルが感じられる楽曲をお茶の間に披露する機会があってもいいのに……と思う。

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