SUPER★DRAGONが伝えた自らの力で未来を開拓する姿勢 5年間の成長を見せた『DRAFES 2020』

SUPER★DRAGON『DRAFES 2020』レポ

 では、彼らは今回の企画を通して何を伝えたかったのか。何も起こらない人生なんてない。追い風と向かい風は表裏一体。そんななか、SUPER★DRAGONは常に自らの意志で物事を選択し自らの力で未来を開拓していくことの大切さを学びながら、発信し続けてきた。その姿勢が、新型コロナウイルスのパンデミックという未曽有の事態によって、より純度を増し、結実した瞬間だったように思う。終盤の体力と気力を振り絞るような鬼気迫るパフォーマンスが印象的だった「BADASS」と「Untouchable MAX」のあと、激しい息づかいも整わぬままのMCがリアルに響き、さらに「僕らのまだ見ぬ世界への夜明けの歌です」という言葉とともに放たれた、最新シングル曲「Burning in the nights」はまさに限界突破。この先の未来は誰にもわからない。しかし少なくとも、目の前の大きな壁を勇敢に突破しようとする9人の若き勇者がここにいることは、ステージを画面越しに観ていた多くの人々の希望になったのではないだろうか。

 そして、SUPER★DRAGONは12月23日に約1年ぶりとなるCD『Burn it Black e.p.』をリリースする。今回1曲目に初披露した、ロックのダイナミズムをロックの枠にとらわれないプロダクションで進化させた「BLACK BOX」、すでに配信済で今回のセットリストにも入っていた爽快なダンスビートに新たな決意の乗った「SUPER★DRAGON」と、前述した“夜明けの歌”と呼ぶにふさわしい、US発のトラップがポップシーンを席巻した10年代以降のサウンドを独自の感覚で切り開くエレクトロチューン「Burning in the nights」と、これだけでもじゅうぶんにフューチャリスティックでバラエティに飛んだ3曲に、2曲を加えた作品だ。さらに、2021年1月23日と1月24日にはLINE CUBE SHIBUYAで、419日ぶりにフロアに観客を迎えたワンマンライブの開催も決定。まずは近い未来、彼らからの最高のクリスマスプレゼント~ニューイヤーパーティをとことん楽しみたい。

■SUPER★DRAGON『DRA FES 2020』
・アーカイブ(見逃し配信)期間
2020年11月30日(月)23:59まで
詳細はこちら

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